Snow White
□チャイナガールは爆弾娘
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「…にんじん、玉ねぎ、豚肉に、カレー粉と、隠し味のハチミツ……これで買う物は全部かな?」
瑠璃華は買物袋を下げる
ここは人が賑わう並盛商店街で、瑠璃華は学校帰りに、ここで買い物をしていた。ちなみに晩御飯はカレーの予定である
あとは帰るだけ!
…そう思って帰ろうとした時、小さな女の子が目に入った
その小さな女の子はチャイナ服を着ていた。髪型は、頭のてっぺんに三つ編み、つまり弁髪という髪型で、と一風変わっていた
「(あれは……えっと…チャイナ服だっけ?それに…弁髪?)」
瑠璃華が変わってるなぁ…と、思いながら見ていると
こけっ
「(…あっ)」
その女の子が道に転んだ
しかも盛大に、顔からだった
急いで瑠璃華は駆け寄る
「だっ、大丈夫!?」
「〜〜…」
転んだ女の子は頭をさする
瑠璃華は近くにしゃがみ込んだ
近くで見れば見るほど、外国の子なんだなぁと何となくわかった
…すると転んだ女の子が、近くに人がいることに気づくと、慌てたように声をあげる
「!!§☆≠〆◎∞!」
「…へ?」
瑠璃華は思わずぽかんとするが、その女の子は変わらず「@#♀×£\!」と話している
…そーだ、言語が違うからだ
「あ、あの…」
「*$≧¢…?」
瑠璃華が話しかけると、女の子は首をかしげる
やはり言葉は通じないみたいだ
そこで、女の子のおでこにかすり傷ができていることに瑠璃華は気づいた
「!…あなたケガしてる、ちょっと待ってて…」
ゴソゴソとバックを探り…いつも持ち歩いている絆創膏を取り出すと、かすり傷のおでこに貼る
「…!」
「これで大丈夫!」
そう言って笑う瑠璃華
その笑顔にその女の子は見とれていたのかもしれない。しばらく、女の子はその笑顔を見ていた
そのうち、女の子の異変に気づいた瑠璃華は不思議そうに「どうしたの?」と聞く
「…謝謝!」
「あっ…」
急に頭を下げたかと思うと、女の子は顔を伏せながら素早く、瑠璃華の元から走っていった
その場には、瑠璃華1人がぽつんと残されていた
「…どうしたんだろ?」