Snow White
□チャイナガールは爆弾娘
3ページ/10ページ
お師匠さま、イーピンです。
ニッポンにきて、もう1日がたちました。わたしは今日、"なみもりしょうてんがい"っていうところにいきました。
ニッポンはすごいです。
ついさいきんまでお師匠さまと修業してたからでしょうか、わたしのしらないものばかりで、とてもびっくりしました。
せかいはひろいです。
だからでしょうか、わたしは道のまんなかでころんでしまいました。それもあたまからです。
いつもならころばないのに、今日にかぎって、あたまからころんでしまいました。
わたしははずかしく思いました。せっかくニッポンにきたのに、ころんでしまうなんて…
わたしははずかしくて、顔がまっかになりそうでした。このかすり傷がいやになった、その時でした。
わたしに、声をかけてくれるひとがいました。
ころんでいたわたしを、そのひとはあわててかけよってくれたのです。
けど、そのひとをみて、わたしはびっくりしました。
なんとそのひとは、おかめさんだったのです。
むかし、ニッポンには"おかめ"というかおだちのひとがいた、とお師匠さまに聞いたことがあります。
でも、それはむかしのことだと思っていたのですが、わたしを心配してくれたのはまちがいなくそのおかめさんだったのです。
ついわたしはびっくりして、そのひとに「おかめだ!」とさけんでしまいました。だって、おかめさんなんてみたことなかったんです。
そうしたら、おかめさんはこまっていたようでした。あたりまえです。もしもわたしが同じたちばだったら、たぶんわたしもこまってしまいます。
しかも、おかめさんとは言葉がちがうみたいで、わたしがそのことに気づいたとき、おかめさんは持っていたふくろの中からなにかをとりだして、わたしのおでこにはりました。
それはばんそうこうでした。そして、おかめさんはニコッと笑ってくれたのです。
わたしは、その笑顔にしばらくみとれていました。それとどうじに、すてきだなぁと思いました。
そう思ったら、なぜか急にはずかしくなって、わたしはおれいをいって、おかめさんとわかれました。
というより、はずかしくてわたしが走っていったのです。
そのときに、さいふをおとして困っていたひとがいたので、さいふをひろってあげましたが、まだわたしの頭の中には、おかめさんの笑顔でいっぱいでした。それほど、おかめさんの笑顔はすてきだったんです。
お師匠さまにも、あの笑顔をみせてあげたいです。
おかめさんと、お友達になりたいなぁと思いました。
でも、それはいけません。
だってわたしは、あんさつをしにニッポンへきたのですから。
はじめてやるあんさつなので、ふあんになったりしますが、お師匠さまの弟子であるわたしが逃げてはいけないのです。
お師匠さまのために、はじめてのあんさつをがんばりたいです。
明日、"なみもりちゅうがっこう"というところにいくつもりです。わたしのねらうターゲットが、そこにかよってるという情報をしったからです。
そこで、ターゲットをあんさつしたいと思います。きっとあいても強いと思いますけど、わたしはがんばります。
お師匠さま、わたしがはじめてのあんさつをやりおわって、香港に帰ってきたときには、わたしがであったおかめさんのお話をさせてくださいね。
明日が、わたしやお師匠さまにとってよい日になりますように。