Snow White

□チャイナガールは爆弾娘
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「ねぇ、瑠璃華ちゃんは超能力って信じる?」



掃除の時間に突然、一緒に掃除をしていたツナからそう聞かれた

思いがけない質問に、思わずキョトンとする瑠璃華に、ツナは慌てて付け足す



「…超能力?」

「あっ、ゴメン!た、ただ聞いてみたくって!」



【超能力】
通常の人間にはできないことを実現できる特殊な能力。未来予知や瞬間移動が主な例だが、実際にはないものと認可されている。

瞬時に頭の辞書をめくり、瑠璃華は考える



「うーん…私は見たことはないからよくわかんないけど、できたら信じてみたいなぁ」

「え?」

「だって超能力だよ?そういう不思議な能力って信じてみたいな」



これをロマンっていうんだっけ?そう言いながら笑うと、ツナもつられて少し笑った

















「犬が宙に浮いた?」



瑠璃華は思わず聞き返した

ツナは「そーなんだよ!」と頷きながら再び話し出す


話によると、昨日の帰り道に(何をしたのわからないけど)、犬に追われていると、いきなり子供が出てきて、犬の動きを止めたり、宙に浮かしたりしたらしい



「一応助けてもらったから、ありがとうって言ったら…オレをにらみつけてどこかにいっちゃったんだよ!」



変なヤツだった…と話すツナに、瑠璃華は不思議そうに頷いた

確かにそれって…超能力だよね?



「リボーンにそのこと言ったら、『誰でもそーゆーの信じる年頃ってのがあるもんだ』って言われてさ…1歳のお前に言われたくないってのに!!…あ、ゴメン」

「ううん、大丈夫だよ。…今の、リボーン君に聞かれないようにね」

「そ、そうだね…」



いや、アイツのことだからどこかで聞いてるかも…と、ツナが青ざめたその時、後ろから声が聞こえた




「あっ、あなたは!」



それは京子の声で、瑠璃華が振り返ってみると、京子(と横にいる花)の前に、昨日瑠璃華が絆創膏を貼った、弁髪でチャイナ服のあの子がいた




「昨日のあの子……何でここに?」

「あっ、アイツだよ!さっき話した超能力の!」

「えっ」



昨日出会ったあの子が超能力者?

そんなことを思っていると、京子がペコリと頭を下げる



「昨日は、落としたお金を拾うの手伝ってくれて、ありがとうございました!」

「なーに京子。あんたまた財布落としちゃったの?」

「うん…でもそうしたらね、この子が拾ってくれたんだ!」



嬉しそうに笑う京子に、瑠璃華はいい子なんだな…と優しく思った
ツナも同じようなことを思ったらしく、その子を見ている




「ふーん…変なカッコね。どこから来たの?」



花が少し笑いながら聞くと、その子はキッと花をにらみつける

その様子を見て、ツナが言う



「あっ…あんな感じで昨日、オレをにらみつけてたんだ!」

「…でもどうしてだろう?」



いいことをしてるのに…

そんなことを思っていると、視線を感じたのか、その子が瑠璃華とツナに気づいた

そして、持っていた袋から写真を取り出して、何かを確認する




「?」



どうしたんだろう、と思ってるとその子がこちらに歩いてきた
身体は小さいが、しっかりとした足取りでこちらにむかってくる

後ろでツナが戸惑う中、その子は瑠璃華達の前にやってきた





「◎℃≧☆△!」

「(あ、やっぱり言ってることわかんないな…)」



やはり文化の違いか、言ってることはわからなかった。中国語、習っておけばよかったかなぁ…

すると、それに気づいたのか、小さい指で必死を上を指した




「?」

「う…上?」



ツナがそう読み取ると、その子は瑠璃華の手を引っ張った
小さいながらも勢いはあり、瑠璃華は引っ張られていく



「えっ…ちょ、キミ!」

「★◎±§∴!」

「へっ…えっ?」



瑠璃華は訳もわからないまま引っ張られていき、そのまま姿が見えなくなっていった



「ちょっ…なんでアイツ、瑠璃華ちゃん連れていったの!?」




上って、もしかして屋上のこと?


…と、とにかく行ったほうがいいよな…?




 
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