駄文
□大切な想いほど口にし難い
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「女を捨てよ」
「護られるのではない。護りたいのであれば・・・」
「惚れたか?この男に?」
目をあけると見慣れた天井があった。最近また同じ夢を見る。もう本当に師匠はいないのに・・・。
月詠は一人で思いにふけった。その思いは亡き師匠から一人の男へと変化していった。
「銀時・・・」
つぶやいてみる。あの男の名を。
しかし思うと同時に会いたいという気持ちがあることにも気づいていった。
「いかんいかん。わっちとしたことが。女など捨てたのに。しかしやつは自分らしく生きろとも言っていた。いったいどうしたものかのう。」
独り言を言っていると晴太がふすまを叩いた。
「何やってんだよ月詠姐。朝ご飯できてるんだよ!早く下に来て食べようよ!」
「すまぬ。今支度するゆえ先に行きなんし。」
下に行きまだ先ほどのことを考えながら朝食を食べていると日輪が口を開いた。
「月詠、今日も仕事かい?」「当たり前じゃ。わっちに休みなど必要ありんせん。」
「またそんなこと言って。まだあれ以来まともに休み取ってないじゃないの。たまには休まないと銀さんとも会えないわよ!」
「っっっっなっっ!」