駄文(歌)
□今宵、月が見えずとも
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(今あいつはどうしているんだろう?
また無茶しているのか?
それとも誰か俺の知らない奴と過ごしているのだろうか?)
暗い万事屋のリビングで坂田銀時は物思いに耽っている。
「涙垂れ流して俺に縋りやがれ…」
「俺たちはお前を一人にしねぇよ。」
数日前に仲間にかけた一言だ。全てを分かってやりたい。絶対に一人にはしない。
その一心でかけた一言だった。
でも今は何か違う。それだけではない気がしてきた。
「なに考えてんだよ、俺。」
そう自分に言い聞かせてみた。が、だめだった。忘れようにも考えてしまう。
「月詠…」
考えていると会いたくなってきた。
会いたい。でもできない。
(自分一人で行くのは恥ずかしい。
それに神楽がいる)
そう自分に言い聞かせた。
夜空に雲がでてきた。それが時折月を隠している。
部屋は暗く闇が覆った。