てにす
□03.アナタの微笑みで。
1ページ/2ページ
最後に見たのは一人称私の必死な顔
最後に聞いたのは一人称ボクの声
最後に触れたのは一人称ウチの手
え…?あれが最後…?
『…みん、なぁ……』
「泣いてる…ん、です…か?」
芥川さんを探しに裏庭に来たら可愛い女の子が倒れていて
なぜか“みんな”を呼んで泣いていました。
『…え?』
俺の声に反応したのか女の子が大きな瞳を開けて俺を見てて…
俺は何もしていないのに顔が熱くなってきた
「あっ、えっえっと…お、お名前はっ!?」
ぱちくり、と言う擬音が合いそうなほど目をまんまるにして
あははっと声を出して笑って
『あたしは一人称バラバラだよーっ!よろしくね!チョタ!』
「は…はいっ!!」
名前教えたっけ、なんてことはどうでもよくなって
一人称バラバラさんが笑顔を見せてくれたのがすごく嬉しくて
泣きそうになった。
03, ア ナ タ の 微 笑 み で 。