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□迷子の迷子のおまわりさん
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近藤勲は迷っていた。
人生に?!
いや
これからの真撰組に!?
いや
「誰かあぁぁぁ!!ココはドコですかあぁぁっ!?」
見知らぬ河原沿いで
近藤は叫んでみたが
周りには全く人がいない。
そう、
道に迷っていたのだ。
前にもお通ちゃんファンクラブ争奪戦で勢い余って迷子になった事があったが、今回は見廻り中だ。
バリバリ真撰組の隊服を来ていながら、迷子になりましたっ、と言うのは気が引けたのだが
辺りはどんどん夕暮れてゆく。
河原でうなだれながら膝を抱えて近藤は座った。
「お妙さん…最後に貴女の顔をひとめ…見たかったっ!!」
ぐすぐすと膝を抱えて泣いていると、
「あら?じゃあ顔見たらどこかに行ってくれるのかしら?」
後ろから
一番逢いたいと願うひとの声がした。
「おおお妙ざんんっ!!!」
鼻水まで流し振り返る近藤に妙はあからさまに嫌な顔をした。
「…っていうかこんなところで何してるんですか?」
片手で拳を作り、殴るポーズをした妙に近藤はしゅんとなりその場に正座をして涙をふいた。
「あの…それが…」