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□真っ直ぐなひと
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俺は本当に昔から変わらねえ。

昔から女心というモンが全くわかっちゃいねえといつもトシに言われているが

何がわからないのかが

わからないのだ!

好きだと思ったら、漢というものは真っ直ぐに、そのまんまを伝えたらいいんだといつも思っている。

真っ直ぐな気持ちっつうのはどんなに遠回りしたって、相手に伝わるもんなんじゃないかと。

うん、真っ直ぐ!
俺の大好きな言葉だ!
武士っちゅうもんは刀の様に真っ直ぐな心を持っていてこそ!
揺らがない気持ちで常にいるという事だ!


…そんな訳で今俺は
八百屋で積まれた玉葱の中にいる訳なんだが。

2時間経つがお妙さんはまだ通りかからない…

え?何?気持ち悪いって?!ちょ…!
違うから!!これは待ち伏せとかそんなんじゃなくて!

なんて言うの、愛する人を極限の状態で待ちつづける試練?!ってやつで…
現に玉葱の中にいるせいか、くさいし何か涙目になってくるしっっ!!


「おじさーん!なんか玉葱の中に虫がわいているわ!退治しときますね」

「あ!お妙さ…!」


顔面パンチをくらって、玉葱の中から引きずり出された。

愛する人に。


「…お妙さんに、逢いたかっんですっっ!!」

ストレートだ!
ストレートに、真っ直ぐ行け、俺!
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