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□冷たくてあたたかいそのひとが
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「近藤さん、今日は無理みたいですぜ」

飲みの誘いに来た松平に沖田が首を横に振りながら言うと松平は怪訝そうな顔をして煙草に火をつけた。

「なんだ、あいつがダメなんて珍しいじゃねーか」

「熱出しちまってるんで」


朝から近藤は9度近い熱を出して寝込んでいる。


「バカは風邪ひかねえんじゃなかったのか。しゃあねーな、俺一人で楽しんでくらぁ」
そう言って松平は屯所を出て行った。


近藤の部屋に粥を持って沖田と山崎がやって来る。

「局長、朝からまともに食べてないじゃないですか。少しだけでも食べて下さい」
山崎が心配そうに枕元に粥を置く。

「…ぁあ、すまねぇな…大丈夫だから、お前達も仕事に戻ってくれ」

「仕事なら、土方さんが頑張ってまさぁ。大丈夫です」
沖田がにこりとして言う。

「トシ一人じゃ何かと大変だろうから、助けてやってくれ。さ、行った行った」
寝込んだまま、布団からしっしっ、と払う様に手を振った。

沖田は土方を助けてやってくれと言われ面白くないという表情をしたが、

「わかりました。辛くなったら携帯にすぐ連絡下せぇ。行くぞ、山崎」

そう言って山崎を連れて部屋から出て行った。
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