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□女心は桜空
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どういう風のふきまわしか、今
妙は近藤と桜並木を歩いている。

互いに一言も喋らず、ただ桜がはらはらと散る並木道を歩いている。

1番戸惑っているのは勿論、近藤だ。
前の晩に妙の方から誘われた。その時はもう屯所内を駆けずり回り、みんなから白い目で見られる程の喜びようだったのに…

今こうして二人で歩いているというのに
いつもの妙を追い回している近藤のペースにどうもなれない。

「…やっぱり、私と花見なんてつまらないですか?」

最初の一言は妙の意外な言葉だった。

「いいいや!!もう!近藤勲、この上ない幸せですお妙さんっ!!」

ばたばたと大きな手を大袈裟に振る近藤。

「…そう。それはよかった」
そうつぶやく様に言うとまた沈黙する妙。

「お妙さん…何かあったんですか?」

「何も。」

「いや、変ですって!」

「何が?」

「…何で…今日誘ってくれたんですか?」

妙が見た事のない真面目な顔で妙の前にまわり近藤は立ちはだかった。
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