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□コワレモノ
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好きな人に触れたい。
当たり前の様な感情だが
それが許されるのは
互いに想いが通じ合っての事。
そして今まで
触れる事が許されなかったその愛しい人が
夫婦という形で許されるものになった。
…なった、のだが…
結婚してもう半年が経とうとしているのに近藤は今だ妙に触れる事が出来ないでいる。
布団は二組
新八は万事屋に住み込みしている。
屋敷には二人っきりだが
二組敷かれた布団に近藤はおとなしく入らざるを得ない。
正直おとなしくどころか心臓は毎日ひどく脈打ち、ここは自分が布団に呼ぶべきなのか、それとも妙の布団に自分から行くべきなのか
頭の中で考えすぎてぐるぐるしている間に
妙の寝息が聞こえてきて
悶々としたまま打ち消す様に布団を被り、無理矢理目を閉じる。
毎日こんな具合で一日が終わってしまう。
ひどい話しキスすら出来ないでいる
大好きな人と結婚したのだが、どうしてよいかわからない。