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□曇天の道へ
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「…そう。」
仕事から帰ってきた新八が、ここ数日あった事を
沈みぎみながらも妙に話した。
土方さんが妖刀にのまれてしまい真撰組がバラバラになりそうだった事、
近藤さんが暗殺されそうになった事、
それを企てた伊東鴨太郎という男が攘夷にそそのかされていて最後は…
「僕達を助けてくれた伊東さんは悪い人じゃなかったんです。粛清されるのを黙って見てられなかったんです…」
「それにあの人みんなを助けようとした事でもう瀕死の状態で…近藤さんも止めないし、黙ってられなくて近藤さんに止めてもらおうとしたんです」
妙は黙ったまま聞いている
「でも…」
「…近藤さん、堪える様に…泣いていたんです」
そこまで聞いてやっと妙が言った一言が
「…そう。」
だった。
「新ちゃんも疲れたでしょう、今日はゆっくり休みなさい」
そう言って妙は仕事に出かけた。