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□剣恋
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妙は困っていた。

いくら自分の事が好きでも、近藤は真撰組局長だ

自分にとっても賭けであった。

道場のために彼に付き合うと告げ、近藤は快諾した。
条件付きなんて
絶対自分に呆れて
そのうち愛想を尽かしてくれると思っていたのに


「おはようございますっ!!」
近藤は朝から満面の笑顔で恒道館にやってくる。

子供達もぱらぱらと集まってくる。

子供達は真っ先に近藤のところに駆け込み、
近藤の取り合いみたいにすらなっている。

不思議なひと

妙は心の中で思った。

特別な事をしている訳ではないのに、子供達はみんな近藤が大好きになっていた。

最初は図に乗っていきなり襲いかかってきたらああしてこうして…などと妙の頭の中で近藤は何度もボコボコになっていたのだが

襲いかかるどころか、デートにも誘ってこない。

近藤が純粋に楽しそうに子供達に教える事に夢中なのが
少し嬉しくもあり
なぜか
モヤモヤしたものが胸のどこかわからないところで渦巻いてもいた。
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