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□冷たくてあたたかいそのひとが
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静まり返った部屋で近藤は目を閉じた。

吐く息は熱く、熱のせいか思考がぼんやりとする。

前に風邪の妙を見舞った時の事を思い出していた。

(風邪ひくって、心細いモンだなぁ…あん時は行ってもよかったのかなとか思ったけど、お見舞い行ってよかったな…)

そんな事を思いながら、もしかしたら妙が見舞いに来てくれるかな…と一瞬思い、そんな訳ないかとすぐに思考を打ち消した。

弱っている時に浮かぶのは大好きなひとの事ばかり。


(お妙さんがあん時本当に逢いたいと思ったのは誰なのかな。…俺じゃねえ事は確かか)

布団の中でふっ、と笑い、そのまま近藤はまた眠った。



すまいるで松平はいつもの様に豪遊をキメていた。
「どんどん酒持ってこーい!」
たくさんのキャバ嬢をはべらせてすでに出来上がっている。

妙とおりょうもその席に呼ばれて座っていた。

「今日は近藤さんは一緒じゃないんですね」
おりょうがにこにこと松平に酌をしながら言った。

「ちょっとおりょう!余計な事言わないで頂戴。ゴリラ呼ばれたらたまんないわ」
妙はおりょうの袖を引っ張った。

「んぁあ、近藤?…ヒック…んー近藤なら誘ったんだがーなんか生意気に熱出して寝込んでるとか言いやがったぁ…」

「あら!大変!」
おりょうがちらりと妙を見て言う。
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