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□HAPPY NEW YEAR
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「いや…今日は屯所は…今日くらいお妙さんと家族水いらずっていうか…いつも俺の奥さんってだけでお妙さん、大変だし…」
「何言ってるの!真撰組のみんなだってあなたの家族でしょう?…そりゃあむさ苦しくてうっとうしいですけど」
妙はそう言ってにこりと笑う。
「いや…あの…いつも本当にすみません…あいつらが…」
近藤は申し訳なさそうに頭をかいた。
「けど、あなたの家族は私の家族でもあるんですから。さ、したくして下さいな」
妙はさらりとそう言って立ち上がると近藤に羽織りを渡した。
「お妙さん…」
「何ですか?」
「…ありがとう」
「御礼を言われる事なんてしていません。今から私、忙しくなるんですから!帰ったら私の接待、たんまりしてもらいますから。」
そう言って戸締まりの確認を忙しそうにする妙を見つめて
「…接待どころか…今襲っちまいそうだ」
近藤は小さくつぶやいた。
「なあに?何か言いました?」
「い、いやっっ!何でもないですっっ!!」
「…おかしなひと」
夫婦になった今でも、時折妙の鉄拳をくらったりする事もあるし、あからさまに甘えられる事もほとんどない。
それでも不安にならないでいられるのは
日々幸せでいられるのは
こうして自分を思わぬところで支えていてくれる妙だからだと改めて近藤は妙に感謝し
したくを終えた妙の手をそっと取った。
「ちょ…手繋いで行くなんて…」
妙は赤い顔で握られた手を離そうとしたが、近藤は離れない様に優しく大きな手で妙の手を包み
「行こうか、妙」
そう言ってそのまま歩き出す。
幸せな
時間を離さない様に
Fin