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□あなたのその先に
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家に着いてお茶を入れ一息ついていたら

ガサッ

軒下の方で音がする
そっと近くに行くとあのひとが泣きそうな顔で言う

「ちちち違うんですお妙さんんっ!!ちちょっと寝てしまって!!」

「…永眠して下さいなゴリラ!」
軒ごと鉄槌をくらわす。

「ふごぉ!!」と鼻血を手で押さえて悶絶する近藤さんの前にしゃがむ

「…あなたはやり方が間違ってる。違う…違うの」

はらり
はらりと涙が出る
自分で制御できない涙。

「…お妙さ…!」
近藤さんはいつになくびっくりして私の前でうろたえる。

「こんな事一生してるつもりですか!?こんな事しててその先に何があるっていうの??」
泣きながら自分でも訳のわからない言葉しか出て来ない。

「…すみません…俺は貴女が大好きで…って答えになってないな」
頭をかきながらいつもとは違う神妙な顔で言う近藤さんに今度は私がうろたえる。

いつまで?!その先は?

本当は自分に問いているのかもしれない。
でもこのひとが一歩踏み出したら私はどうするんだろう?

はらはらと泣く私の前で
オロオロとする大人の男

自分の気持ちが少しわかってしまった。

でもまだ認めたくない

あなたのその先を知るまでは。
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