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□キスキス
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「そそそそうなんですかっ!!それは心配ですねっ!!お妙さん!」

突然の妙の言葉に近藤はあたふたしながら言う

「何が?新ちゃんが?私が?」
近藤の『心配』という言葉にチクリと妙は突っ込む。

「え…あ…あの、新ハ君が!!万事屋の仕事ってその、無茶ばかりですから!!」

「あなたって私の言葉の返事がいつも言い訳みたい」

妙は庭を見つめたままだ。
「…す…すみません…」
両膝に拳を置いて近藤は叱られた子供の様に謝った。

そこからまた沈黙。

妙はというと、自分はなんて可愛くない事しか言えないんだろうと、この底ぬけに優しい男は自分がこんな突っぱねた事しか言わないから
いまだ手も握れないんだろうなと。

「…ごめんなさい。やっぱり私、可愛くないですよね」
妙はこの精一杯の言葉を俯いたまま言った。


「いえ。貴女はこの世で1番、可愛い人です」

近藤がいつもの高揚した声でなく、低く、けれども優しく言うので妙はびっくりしたのと同時に

耳まで真っ赤になる。
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