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□俺の相棒*
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「円堂、お疲れ。」
2人は河川敷のグラウンドで練習をしていた。
「おう!付き合ってくれてありがとな」
円堂が汗を拭うと、豪炎寺が自分のタオルを差し出した。
「…いいのか?」
「あぁ。」
「ありがとな」
円堂はそのタオルで顔を拭いた。
(…豪炎寺の匂いがする…///)
思わず「クスッ」と笑ってしまった。
「な、なんだよ…。」
「へへっ。何でもない!」
照れ隠ししようとしたが、豪炎寺は分かっていた様で冷静だった顔が笑顔に変わっていた。
「何笑ってるんだよぉ」
「何でもいいだろ?」
「えー、良くない!」
「お前だって隠したじゃないか」
「う、それは…///」
3秒ほどの沈黙が起こった。
夕焼けが、とても綺麗に感じた。
このままじゃいけない、と豪炎寺が口を開いた。
「もう暗くなるから帰った方がいいんじゃないのか」
「豪炎寺は帰らないのか?」
「……。」
「豪炎…寺?」
「あ、あぁ。すまない。俺はまだ練習しようと思っている…。」
その時の豪炎寺はいつもと違ったような気がした。
なんて言うか分からないけど…。
なんだかとても…悲しそうな顔をしてた……。
「じゃあ俺、帰るからな」
「気をつけろよ。」
「わかってるって!」
円堂は無理して作り笑顔を見せた。
(本当は悩み事とかあるんだろうな…って思ったけど…。)
振り返ると、豪炎寺も意味深な笑みを浮かべていた。