お題

□堕ちる世界
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少し生意気な君、そんな所が大好きで。

楽しそうな笑顔、挑発してくるその瞳。

すべてが欲しい。

「幸村さん、何してんすか?」

そう問い掛けられて、重ねていた手を離した。

「え…何でもないよ」

そう言って頭を撫でると、リョーマはくすぐったそうに肩を竦めた。

「でも…何でそんな顔?」

「そんな顔って…」

「すごい、悲しそう」

そう言って幸村の頬にそっと触れると。

幸村は自分の頬にある手を強く握って、微笑んだ。

「悲しくないよ、だって君が傍にいるんだから」

でもその目も、すごく悲しそうに見えた。



「でも君が何処かへ行ってしまうのなら、壊してでも手に入れたいって…時々そう思うんだ」



「良いよ、壊してよ」

まさかの言葉に目を見開いた。

「駄目だよ、だって俺はボウヤの笑顔が好きなんだから…」

「俺は優しい幸村さんも好きだけど、黒い方ももっと知りたいな」

「ふふっ…君のそういう所が良いんだよね」



リョーマは自分が組み敷かれるようにして、幸村を強く自分の方へ引き寄せた。

「ほら、俺を壊してよ」

君となら、どこまでだって堕ちていける。



(END)
2011.1.21

はい。
ごめんなさい。

お題提供⇒私のセカイのただし方

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