お題
□堕ちる世界
1ページ/1ページ
少し生意気な君、そんな所が大好きで。
楽しそうな笑顔、挑発してくるその瞳。
すべてが欲しい。
「幸村さん、何してんすか?」
そう問い掛けられて、重ねていた手を離した。
「え…何でもないよ」
そう言って頭を撫でると、リョーマはくすぐったそうに肩を竦めた。
「でも…何でそんな顔?」
「そんな顔って…」
「すごい、悲しそう」
そう言って幸村の頬にそっと触れると。
幸村は自分の頬にある手を強く握って、微笑んだ。
「悲しくないよ、だって君が傍にいるんだから」
でもその目も、すごく悲しそうに見えた。
「でも君が何処かへ行ってしまうのなら、壊してでも手に入れたいって…時々そう思うんだ」
「良いよ、壊してよ」
まさかの言葉に目を見開いた。
「駄目だよ、だって俺はボウヤの笑顔が好きなんだから…」
「俺は優しい幸村さんも好きだけど、黒い方ももっと知りたいな」
「ふふっ…君のそういう所が良いんだよね」
リョーマは自分が組み敷かれるようにして、幸村を強く自分の方へ引き寄せた。
「ほら、俺を壊してよ」
君となら、どこまでだって堕ちていける。
(END)
2011.1.21
はい。
ごめんなさい。
お題提供⇒私のセカイのただし方