12/23の日記

01:22
出会い(千リョ)
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出会い



南が煩いから、青学の偵察に来てます。
ま、偵察というか可愛い女の子を探しに…。
この俺が声掛ければ、誰だってついてくるからね。

「キヨったら、かっこいー!」

こんな事を言いながら青学のテニスコートに向かっていた。



お、あそこに可愛い子発見!と思って近づいてみた。
うーん、おかしい。
ラケットの色もピンクだったし、小柄で確かに可愛いと思ったんだけど。
男のこと女の子を見間違えるなんて俺ってアンラッキー?
でもあの子って、噂の一年越前リョーマ君だよね。
レギュラージャージ着てないけど、多分合ってると思う。
あの横の女の子2人も一年の子だろうけど、今はリョーマ君に目が釘付けだった。
やっぱりあの子、あの強気な目が可愛くない?

ちょっとからかってみたら面白いかも。
でもここはちょっとアドバイスなんてしてみようかな、一応俺上級生だし。
それで千石さんかっこいい、なんて言ってほしいな。
これが初対面だけどね。








白ラン?
こんな制服初めて見た。
興味なんて全くないけど、さっきから俺のことずっと見てる。
あの人は会った事ないから、恨まれるような事なんてしてないと思うけど。

…多分。

人のことを全く覚えないリョーマにとっては初対面かなんて全く分からなかった。


あれ?
この人、いきなり前に出てきたけど何なのさ。
ああ、もしかして顔にボール当ててほしいのかな。
なんて勝手な解釈をしてたらムカつく事を言われたから、お望み通り豪快に顔面にぶつけてやった。
この人はぶつけてほしいなんて言ってないけど、自業自得でしょ。


その時鞄に書いてあった名前を何となく見ていた。
千石…清純…。








まさか、あの細い腕であんな強い球を打ってくるなんて思わなかった。
痛かったけど別に気にしてないし。
リョーマ君ってば強気な態度が可愛すぎる。


部活終わるまで待っててみようと思って校門の前で待ってた。
そうしたら自転車を持った先輩らしい奴と一緒に楽しそうに出てきた。
リョーマ君は俺に気づいたみたいで、そいつに挨拶をして走って来てくれた。
もしかして、リョーマ君俺に惚れちゃった?

「さっきは、あの…ボールぶつけちゃって、すいません」

あー、やっぱりその事か。
そりゃ勝手にボールに当たってぶっ倒れた男に恋しちゃうなんて意味不明な展開ありえないんだけどね。


「別に気にしてないから大丈夫だよ、リョーマ君」

そうしたらリョーマ君は大きな目を見開いてビックリした様子だった。

「俺の名前、知ってるんすね」

そんな発言には俺の方が驚いた。
青学の一年レギュラー越前リョーマと言ったら今中学テニス界で知らない奴は珍しいくらいなのに。
あ、俺がテニスやってるように見えないって事か、キヨ納得。


「当たり前だよ、俺これでも山吹中のエースで千石清純っていうの」

するとリョーマ君はふーんとあんまり興味無さそうにしてる。

「あれ、山吹中って試合当たる学校だよ、知らない?」

「へー、興味ないよ」
リョーマ君って周りに興味しめさない子なんだ。
友達ちゃんとできてるのかな、…って俺ってばお母さん?

「千石さんもテニスやってるってことは…強いの?」
そう言ってきたリョーマ君の好戦的な目にキュンときた。

「そりゃ、もちろん強いよ」
そう言ったらリョーマ君の目が輝いてた。

「じゃあ俺と試合してよ」

まさかのこういう展開!


「でも俺今日ラケットも持ってないし、今度じゃ駄目かな?」

そうしたらまた会えるんだけどな。
…ってリョーマ君!?
何その可愛い顔、すんごい残念そうな顔。

「じゃあ…しょうがないっスね」

「大丈夫だよ、俺明日は空いてるから…ストリートテニス場って分かるかな」

リョーマ君はコクンと頷いた。

「じゃあ明日は休日だし、ボールぶつけたお詫びってことでちょっと俺に付き合ってよ。そうしたらテニスしようか。」

「付き合うって…何処かに行くんスか」

「ちょっと行きたい場所があるんだよね〜。リョーマ君とデートしたいんだ!」

そうしたらリョーマ君、困った顔になった。

「俺はテニスしたいだけなんで、いくらお詫びって言っても彼女さんとかと行った方が良いんじゃないんですかね」

んーどうしようかな。
女の子なら即効OKなのに、男の子を口説くなんて初めての経験。
でもキヨは諦めないよ。
だからとびっきりの真面目顔で。

「でも今は彼女いないし、今は越前リョーマ君と行きたいんだ。誰よりも…君が良い」

ほら、ちょっとビックリしてるけどほんの少しだけ赤くなった。
そんな顔もとっても可愛い。

「そんな言い方恥ずかしいっスよ、そういうのは女の子に言ってあげてください」

あれ、もしかしてNO?

「別に、デートじゃないけど試合やってくれるんだったら付き合ってあげても良いっスよ」

お、やった。
リョーマ君とデート!
あったその日にこんな事になるなんてやっぱり俺ってラッキー。

「良かったー、じゃあ俺の連絡先教えておくね。家まで迎えに行くよ」

「じゃあ、また明日会おうね!バイバイ」


連絡先を返される前にさっさと帰ってしまおうと思ってその場から立ち去った。
また明日会えるんだし、あわよくばその先も…なんてね。

今思ったけど顔は腫れてないだろうか…。
でもそれもリョーマ君と俺の出会いの思い出か!
こんな運命的な出会いするのは俺とリョーマ君だけだもん。
もし付き合って、そんな事を言ってもリョーマ君にはあんたが不注意だからだよって言われちゃうかもしれないけど。
そんなキツイあの子に惹かれたんだから、ちゃんと俺のものにしてみせる。


千石清純、これからは越前リョーマ君一筋で生きていくって決めましたから。


(END)
かなり前に書きました。
アホの子を目指したんです。

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