二人でひとつ!
□第1話
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ガコンッ
ゼン「あっ 惜しいっ!」
ボールはゴールには入らなかったが、ゴールの後ろのボードに当たった。
再び皆膠着状態になり、試合が止まる。
ゼン「あ! え、えーと…… きょ、今日は風がよく吹くんだねっ! アハハハハ;」
「「「だ、だよな〜;」」」
流石に今度は皆無理矢理納得している雰囲気があった。
体育館の中ではそんなに風は吹かない。
ツナ「(真城君ってもしかして運動できるの;)」
しかしその後のゼンは酷かった。
ピーーーッ
山本「真城、ボール持ったまま走るなって!」
ゼン「え!? あ、ごめん!!」
ピーーーッ
獄寺「おい、テメェ何やってんだ!! 敵のゴールにシュートしてどーすんだよっ!!」
ゼン「あ!! ごめん!!」
ゼンは運動神経は良かったが、頭は悪かった。
実はゼンはルールを2、3割程度しか覚えていなかったりする。
この後もゼンの珍プレー、並びにツナのダメっぷりが重なって試合は結局負けてしまった。
ゼン「本っ当にごめん!!」
ツナ「あ、うん。 てゆうかオレもゴメン……」
獄寺「10代目が謝る必要ありません! 全部こいつのせいですよ!」
山本「まーまー、たかが体育じゃねーか」
今は他のチームの試合の見学となっている。
ツナ「それにしても真城君すごいよね。何かスポーツでもしてるの?」
ゼン「うん、山にいた時修行を……じゃなくて、山でよく遊んでたからきっと体力が付いたんだよ。尤も姉さんには及ばないけどね」
そう言ってゼンは隣でバレーボールをしている女子を指差す。
その指先には丁度今試合をしているトキがいた。
―――――――……
京子「トキちゃんいったよ!」
トキ「オッケー!」
トキは高々と上がったボールを相手コート目掛けておもいきり打った。
バシィッ
ピーーーッ
トキのチームに1点追加される。
京子「トキちゃんすごいね!」
黒川「あんたホントに今日が初めてなの?」
トキ「まぐれだよ、ま・ぐ・れ☆」
―――――――……
ゼン「ホラね」
ツナ「へー、真城さんも運動できるんだー」
ゼン「運動だけじゃない。姉さんは何でもボクよりできるんだ。」
そう言ったゼンの横顔が少し寂しそうだったのを、ツナは不思議に思ったのだった。
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