New StaR

□vol.9
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私たちはヨンギルオッパと合流したので
今、社長室の扉の前で深呼吸中。
緊張して心臓が出てきそう。





一同『失礼します。』



社長『………やっと来たか。そこのソファーに座っててくれ』



一同『はい!!』





社長の待ち受ける一室に入ると椅子に座る社長がいた。



お腹痛くなっちゃうくらい、の緊張感。
一度、リーダーと目を合わせてから私たちはソファーに座った。



あー……手、凄く汗かいてるんですが…。
さりげなく拭いておこう。





社長『遅かったな。』



マネージャー『申し訳ありません!!』



『しゃ、社長すみません!!僕がバンの中で寝てしまって………』



社長『いや、別に怒ってるわけじゃない。ただ何かあったんじゃないかと心配しただけだ。』



ジュンヨン『…申し訳ありません…』



社長『大丈夫だ。早速本題に入る………良いか?これから話事を肝に銘じてほしい。』



『(なんだろう……?』



社長『特にアイル。』



『は、はい!!(や、やっぱり、私ー!?)』



社長『今回はお前の内容だ。ヨンギル、リーダーであるジュニョンには知っといてもらった方が良いだろう。』





………え、
……………ま、
…………………まさか!?
嫌な予感的中!?



言うの?
私が実は女でしたー!!
…みたいn





社長『よく聞けよ。これは一切の口外は禁止だ。…アイルは女だ』



ジュンヨン/マネージャー『…はい?』





言っちゃったー!!
社長ー!?



私、まだメンバーになってから一日なんですが!!



ちょ、え……どうしたら。





『しゃ、社長!?』



社長『なんだ?』



『わ、わた……僕、まだメンバーに入って一日であって……!!』



社長『さっきも言っただろう。それに生活を共にして行くんだ、いずれはばれる。その前にフォローしてくれる人物が近くにいる方がいいだろう』





いや、それは分かってます!!
ですがー………ってか社長、
めっちゃ笑顔!!



ってか怖い、怖い………
隣に居るリーダー達から視線が。
横見れないんですけどー!!





マネージャー『社長、……決められた事にとやかくは言えません。……ですが何故彼を……いや、彼女をメンバーに迎えようと思ったんですか?しかも………男装…なんて。』



社長『それはだな……』



『(それ、私も気になる……)』



社長『ただの気まぐれだ。』



一同『えー!?



『(まさかのそんな理由!?)』



ジュンヨン『そんな……そんな理由で!!僕たち…メンバーは…………何年も下積みを積んで……それなのに、こいつは……!!』



マネージャー『おいっ、ジュニョン!!



『…………。』





分かってる。
そんなの………



私が普段通りに働いてお客様に珈琲出してて…そしたら社長が来て、声かけられただけ。



ダンスも歌も出来なくは無いけど、上手いわけじゃない。



所詮ただの………一般人。



何か変化が起きるかと思ってたけど…やっぱり受け入れられないのが当たり前かな…。





『……社長、やっぱり…』



社長『アイル辞める事は許さない。……それにお前の帰る家はもう息子達…ZE:Aの宿舎だけだ。』



『え、僕には借りてる部屋が…』



社長『昨日で契約解除してきた。』



…!?





えっ、まさか…
ドラマでしか聞いたこと無いよ!?この展開!!
勝手に解除してきたって事なの?



私…帰るところない??
ホームレス?
ZE:Aの宿舎………居場所ないよ。
ほんとの事がばれて嫌われたくない。
やだ、怖い…





社長『ジュニョン。ヨンギル。』



ジュンヨン『……ハイ。』



マネージャー『はい。』



社長『彼女、いや、今は彼だが……私がこちら側に引き込んだんだ。私からの頼みだ、頼む。』





一同、びっくりした。
だって…社長が頭下げてるんだもん。



じゃなくて……私も!!



立ち上がって社長の隣に立って二人に向かって深々と頭を下げた。





『僕、頑張ります!!社長が……声をかけてくれたのはびっくりしました。けど何か平凡な人生から変化を求められると思ったからで……皆さんの脚を引っ張ったりしないようにいっぱい練習をするので………どうかよろしくお願いします!!』



マネージャー『しゃ、社長!!アイル!!』



ジュンヨン『………社長、頭あげて下さい!!………アイルも』





そういうと頭をあげる社長、と少し遅れて頭をあげた私。



前に居るリーダーが見れなくて足元に視線を向けてしまう。
これは小さい時からの私の癖。怖くなると絶対下を向いてしまう。



私………やっぱり受け入れられないのかな。





ジュンヨン『わかりました。アイルの事は僕が責任持ってフォローします。』



マネージャー『私も出来る限り気をつけてみます。』



『リーダー……ヨンギルさん…』



社長『そう言ってくれると期待してたよ。アイルを…よろしく頼んだぞ。』





一先ず話は纏まり、社長は忙しい身のため、私達は帰る事になった。



社長室を出て歩いてる途中、
やっぱり御礼を言いたくて二人には先にバンに行っててもらえるように頼んだ。



私は社長のいる部屋をノックした、
最初よりかは緊張は無かった。





『失礼します、アイルです。』



社長『おっ、アイルか、どうした?』



『社長、さっきは頭まで下げてくれて…彼等を説得してくれて…………本当にありがとうございます!!』



社長『そんな事か。……確かにこちらに引き込んだのは私のせいだ。だが……それはアイル、お前に可能性を感じたからなんだ。』



『…社長……』



社長『確か、お前は小さい頃に両親を亡くしてるな………お前がよければだが…私の事を父親と見てくれて構わん。困った事があったら直ぐに連絡してくるんだぞ。』



『しゃ、社長………!!うんん、お父さん!!』



社長『ははは、元気な娘だ』





感動のあまり社長に抱き着いてしまった。
普通ならあってはいけない事なのに………。



本当にお父さんに抱き着いた感覚だった。
凄く嬉しい……



これから、みんなに認めてもらえるように………



★★★ ☆☆☆ことアイル、一生懸命頑張ります!!





vol.10
 

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