story of P

□人形の恐怖
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ぎぃやぁああああああああ!!
ホラーぁああああぁぁあああ!!




「おめでとうおめでとうおめでとうお、おめで、ぎゅぼぼろろ」


「ぎぃやぁああああああああ!!!!」




俺の顔面スレスレの所まで近付いてきたソイツは狂ったように同じことを言いまくって、
首をぐわんぐわん激しく縦に振りだした


行動一つ一つがイチイチ怖いわ!!
しかも外見ただのピチュウだから殴れねえし!




「ゴー、ルド。誕、生日、おめで、おめで、とぉおおおぉぉおぉ!!」


「ぎぃやぁああああああああ!!!!」




あまりの恐怖に俺はベッドから落ちた

どうか、夢なら覚めてくれ――――!!!!




―――――――――――――――




「うぅん…」


誰かに体を揺さぶられる。
母さんかな?でも、まだまだ眠いんだ。せめてあと10分は寝たい




「母さん…せめてあと10分…」


「…………ろ………ド」


「ぅうう…」




なにか言ったみたいだけどよく聞こえねぇ
それから、まだ揺さぶられる。うう、しつけーなー
物凄く眠いけどこりゃ起きなきゃ後々面倒だしなぁ…

そう思って重い瞼をゆっくりと開け………


あれ?
もしかしてコレ予知夢とかじゃないよな?
エンドレスループとかそういうオチ有りな訳!?



やだなぁ、目ぇ開けたくないなぁ…




「………ろ」


「うぅ…」




やだってば
体を揺さぶんなって




「………ゴールド!!」


「!!!」




耳元で響いた低い、聞き覚えのある声。
シルバー!?…か?

思わず目を見開いて、ピチュウじゃないことを祈りながら目の前の人物を見た




「ゴールド、起きろ」


「…………シ」


「シ?」


「シルバー!!!!」




シルバーだった
良かった…マジで安心したっ!


俺は思わず勢いというかなんというかでシルバーに抱き付いた
勢いがつきすぎたせいかそのままシルバーを押し倒す形になったけどそれは気にしない方向で




「ぉ、おい、ゴールド!?」


「わー、シルバーだ、良かった…」


「…………そうか」


「重いだろうけどいいじゃねーかよ、今日くらい」




そうだよ、今日は俺の日だぜ?
少しの我儘くらい多めに見ろっての




「使い方間違ってないか…?」


「気にすんな」


「構わんけどな、別に」




そういってシルバーは目を閉じた。
俺は許しも出たことだし二度寝させていただこうじゃねえか
シルバーの上で。




「……H・・p・・・・………ド」


「……?おやすみ…」




シルバーがなんか言ってた気がするけどよく聞こえなかったな。
ま、いいか

今度はいい夢が見れそうだ







(Happy Birthday。ゴールド)


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