story of P

□ギリギリ蠍座の貴方に
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レモンを片手にただいまヤマブキジム前。







「あ、先輩。コレあげます」


「え、あ、おいシルバー!?」


「あぁ、林檎のお話ですか?ゴールドから聞きました。それならニビジムに行けば何とかなるのではないでしょうか?
では先輩、ちょっと急ぎの用事があるので失礼します

あ、忘れてました。グリーン先輩。これ、差し上げます」




腰からボールを取り出し俺に有無を言わせずドンカラスで飛び去っていったシルバー。
と、何故かシルバーにシナモンを貰った




「何故にシナモン…?」




あー……
行くか。ニビジム




―――――――――――――――




片手にレモン、もう片手にシナモンも持って只今ニビジ………




「あ。グリーンさん」


「…………イエロー」




せめて最後まで言わせてほしかった…




「グリーンさん。貴方を待ってる人がいるんです。」


「待ってる人?」




何も食べ物を持っていないイエローは頭に被っていた帽子を取り俺を見つめた。
というか俺は林檎の件で色々あってここにいる筈なんだが…




「だから、会いに行ってあげてください。グリーンさんも実は会いたいんじゃないんですか?」


「は?」


「ほら、さっさと行ってあげてください。あんまり愚図ると林檎投げますよ」


「林檎って、イエローお前!?」


「はぁ、これだからこの(ウニ)石頭は…、林檎投げる役は僕じゃないんですよ。だから投げさせないで下さい」




静かに貶された気がする。
いや、そんなことより林檎はイエローじゃない?

というか何故か会う奴合う奴は共通して何かを知っている。
だけど俺をどこかに誘導するように流して流して…
今度は会いに行け?

いったい誰に……




「じゃぁ僕も用があるんで行きますね。マサラタウンで待ってます」


「!?」




それと同時に体が浮いた。
と、いうよりエスパー系の、そう、テレポートで飛ばされたのか一瞬で景色が変わった。

ニビの景色から目に映ったのは見慣れすぎている程の静かな町。マサラ
もっと付け足すならレッドの家の前。




「これ、は…」




入れ。という意味なのか?




「ピィカ。」


「ピカか」




レッドのピカが扉を自力であけ、顔を出した。
そして俺の顔を見てなんだか悔しそうな、嫌そうな表情を浮かべながらも身振りで入るように促す。




「入れってか?」


「ピカチュウー」




そこからは無言。
レッドやイエローじゃないから楽しくピカと会話なんてするはずもないんだが、このピカの異常に低いテンションが少し気になる。

そして、扉を開けた途端鼻を擽った甘い匂い。


ワインと、

シナモンと、

……林檎!?




「まさか」


「ピ」




匂いの根源を阻む目の前の扉を開く




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