story of P

□ギリギリ蠍座の貴方に
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「「「Happy Birthday!!」」」


「…………………………………………………………へ?」




扉の向こう。
眼いっぱいに広がったのはドヤ顔のブルーとゴールド、ピカと似たような軽く不機嫌顔のイエローに何時もとあまり変わらない表情のシルバー
嬉しそうな笑顔のレッド。




「え、え、え?」


「ほおら、やっぱり気付いてませんでしたよ!!」


「やっぱりねぇ。グリーンも大概自分の事には疎いから気付かないカモとは思ってたけど…」




どういうことだ!?
頭がついて行かない。気付いてない!?
今日は何の日だったか…………




「グリーン」




ぐちゃぐちゃし始めた頭はレッドの呼ぶ声で考えることをやめたようだ。
うん。今はそんな事よりレッドが優先だからな。




「誕生日おめでとう。
ギリギリ蠍座の貴方に、

フランクフルター・アプフェルクーヘン・マクローネンギッター

を。」


「誕生日……?」




あ!!
そういうえばさっきハッピーバースデイって言われた気がする。




「シナモンとレモンと、甘くて赤い林檎を使ったこのケーキ。
受け取ってくれる?」


「っば、」




名前が異常に長いケーキを差しだし、はにかみながら微笑むレッドを前に俺がNOというはずがない。
寧ろレッドごと受け取りたい。




「当たり前だっ!」


「えへへ、嬉しい。」




そういってまた微笑むレッドが可愛すぎて辛い。
赤い、赤い、あぁ、そういう事か




「林檎は、お前だったな」


「うん!!」




見つけた。
ついでに、捕まえた。ケーキは後でおいしくいただくとしよう。

このやんわり生暖かい二つの視線と嫉妬の三つの視線はおいといてレッドを抱きしめるのも悪くない、

いや、とてもいい!!




こんなのが21歳でいいのか?って?
いいんだよ、死ぬまでレッドが好きなら俺は何処まで行っても俺だからな。





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