story of P
□レッドの恩返し
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「痛っ、」
足に鋭い痛みが走る
少し羽根を休めようと木の影に降り立ったのが運のつき、
動物用に仕掛けてあった罠に見事引っ掛かってしまっのだ
鋭い牙のようなものに足首を噛まれ深く食い込んでいるそれは
足掻けば足掻くほどゆり深く足に突き刺さる
ジクジクと広がっていく痛みに比例して鶴、レッドの眼からじわりじわりと涙が込み上げ、落ちていく
「っ、っう…」
自分の不甲斐なさになのかもう会えないかもしれない友達を想ってなのか零れ落ちるレッドの涙は止まらない
すると、レッドの近くの茂みが揺れ動きウニの様な髪型の人間が姿を現した
「っ!!」
レッドは身を固くし恐怖からその人間を見つめる
ジィとレッドを見つめる人間はゆっくりとした足並みでレッドに近づいていく
そして、自分に向ってくる手を見て目を強く瞑った
「(――――っ、こんなことならもっとウニ食べとくんだった!!)」
しかしレッドが思っていたような衝撃や痛みはなく、その代わりに足の圧迫感が消えていた
「・・・?」
恐る恐る目を開けてみると目の前に映る人間の手にはさっきまで自分の足を噛み付いて離さなかった罠があり、
そこでやっとこの人間が罠を外してくれたんだと知った
しかし何故?
普通ならここで自分は逃げてしまう可能性も十分にある
罠を仕掛けたくせにそんなへまをするとは思えない
いつまでたっても動こうとせずにいる鶴を見てウニ頭の人間、グリーンは屈みレッドに目線を合わせた
「(何で・・何でだろ・・・・・って近っ!!?)」
「あぁ、足の怪我で飛べないのか」
さらにパニックに陥るレッドなど知らぬように懐から包帯を取り出し器用に細い足に巻いていく
鶴のような細い足を傷つけぬように優しく包帯を巻いていく姿にレッドは恐怖よりも一つの疑問が浮かび上がった
「っよし、もう飛べるんじゃないか?」
「キュー(何で助けてくれてるの?)」
人間に鶴の言葉が伝わらないのは承知のうえで浮かび上がった疑問をグリーンにぶつけた
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