story of P

□レッドの恩返し
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「うぅ・・・スイマセンでしたぁ」



「最初からそういえば良いんだ」



「うぃ・・・」



「さ、行くぞ」





完璧に勝利したグリーンは素直にいえない弟の恋人を見て小さく溜息を吐いた
そして、またザクザクと音を立てながら我家に向うのであった





「(あぁ、今日は積もりそうだ)」






――――――――――――――――






パチパチと薪がはねる音が小さな空間に静かに響く
そこに壇を取って弟のシルバーと自分、今日はゴールドも交えて世間話をゆったりと話す





「へぇ〜、珍しいこともあるもんスね」



「白くて綺麗な鶴か・・、ここら辺には鶴はいないはずだし・・逸れたのかな?」



「かもな」



「グリーンさんは結構仕事捗ってるみたいだけどシルバーはどうなんだよ??」



「知りたいのか・・・?」



「そりゃまぁ 知りたいけど・・・別に話したくないならいいし、」



「(・・・始まった・・)」





もう一度言うとシルバーとゴールドは恋仲である
ときに場所、時間など総無視して二人の世界を作ってしまうのだ。勿論、今この場でグリーンは空気と同じくらいの存在感なのだ
グリーンは再び溜息を吐いた






あれからどれ位経ったのだろうか?
ぼんやりとしていた所為か外に眼をやると暗く、白い雪が止まる事無く降り続いていた
あぁもうそんなに経ったのかと、思ったときコンコン、と戸を叩く音が聞えてきた

外を見て分るようにもう暗い、一体誰だろうと二人の世界に入っているシルバー達を置いといき、腰を上げた





「どちら様でしょうか・・・?」





戸を開けてその人物を見た瞬間グリーンの表情は完全に固まった
その人物はそれに気付かぬまま話を切り出した





「あの・・・夜分すみません、旅のものです
雪が酷くて休める場所が――って、あの・・?」



「ぁ、いえ お気になさらず。大雪の所為で宿がないのですね、どうぞ」



「ありがとうございます!!」





グリーンの言葉に表情が明るくなった人物はグリーンに招かれ足を進めた

一方内心物凄く焦っている
白く無地に近い着物を身に纏い漆黒の髪の毛と肌の色とのコントラスト
そして、白いイメージよりもこちらに一度向けられた赤く澄んだ瞳が印象的な人――



・・・・美人だなぁ






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