story of O
□ほどほどに
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私には記憶が無い、正確には大切な物をなくす前の記憶が無い
――――が、今はそんな事どうでもいいんだ
私を愛してくれる人もいるし、どこかしら可笑しいけど友人だっている。
だけど、だけどっ!
今、許せない事があるんだ!!
私の数少ない友人、親友だといっても過言ではない大切な大切な友が、友があんな変態野郎に奪われるだなんてっ!!!!!
ぁあ!ムシャクシャする!!
今のこの場に私の首があったら投げつけてやりたい!!!
このセルティ・ストゥルルソン、首が無くても決してあんな変態に情報屋なんかに静雄は渡さーん!!!!
はぁ、少し取り乱したみたいだ
だが、今凄い事になってる。池袋の24時間戦争コンビって言われてたあの二人が喧嘩せずに仲良く買い物してたんだ・・・
それだけでも、信じられない事だが昨日二人が家(まぁ、新羅の家何だが)を尋ねてきた時、そんな話が心臓に優しいものだって心の底から思ったよ
話が飲み込みやすいようにその時の光景を少し見て欲しい
「やぁ」
「やぁって・・・凄い組み合わせで来たね」
新羅が扉を開けるとそこには底の読めないムカつく笑顔の情報屋、と静雄
新羅が言った様に本当に珍しい組み合わせだった
「まぁ、いいや所でどうかしたの?二人揃ってさ」
「いやぁね、俺等付き合う事にしたよ」
「へぇ〜そうなんだおめでとう」
「一応新羅とそこの運び屋には言っとこうかなぁって、静ちゃんが」
静雄がそう言わなきゃ何も言わなかったんだろうなこの情報屋は。
全く、静雄の爪の垢を煎じて飲めば少しは素直に・・・・なったらなったで気持ち悪いな
「態々、どうも あぁ、そうだ。
お茶してく?丁度いい時間帯だしね・・・・・って、ハイ?」
「どうした新羅?」
「どうしたじゃないよ!!え、ぇ、本当に!?付き合うって、何処かにって意味じゃないよね!!?」
流れるように聞いていた新羅はようやく意識を取り戻したようで慌てて二人に向き合った
その時の新羅の慌てぶりは見事なものだった。
というかスルースキル?乗り突っ込みも見事だったぞ
まぁ、そんな事より私は新羅以上に慌てて。
私に顔があったら真っ青になってるって新羅が言ったほどだ
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