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□似たもの同士2
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「レッド、ここ危ない!別の部屋いこ?」


「へ?あ、うん」




パタパタと赤っ子'sが出て行ったのを確認し、グリーンは掴んでいたスバルの手を離した。




「……」




意外に痛かったのか、スバルはしばらく捕まれていた手をさすっていた。

少し袖を捲る。




「赤くなってる……強く握りすぎだろ」


「言っとくが俺は謝らないからな。レッドがいなくなる原因作った上に人の本を投げようとしたのはそっちだ」


「………………………」


「野生のポケモンに比べればお前の睨みつけなんかなんともない。目が疲れるぞ」


「……やっぱりお前は大ッ嫌いだ」


「奇遇だな。俺もだ」




沈黙。


どこかへ行った二人は大声で話しているのか、スバルの目端に言霊が映った。

引き寄せて眺めて見れば、自分達の共通点が書いてある。あの二人も、よくもここまでネタが出るものだ。

大体、あの二人こそ共通点が多いというのに。




「……何を見てるんだ?」


「言霊。あいつらまだ盛り上がってるぞ」




言霊という響きに若干首を傾げ、グリーンは頷いた。




「そういえば、言葉が見えるんだったな」


「あぁ。……あいつらの鈍感さはいっそ称賛するべきじゃないか?」


「共通点の話か?」




頷く。
そう。レッドもアクロも、自分に向けられる愛情にとことん疎いのだ。
お互い、はっきりと言葉にし、LikeじゃなくLOVEだと説明してやっと自覚されたところだ。




「……確かに」


「ま、自覚してくれただけ良しとしよ………ん?」




ふわふわと漂いながら再び部屋に入ってきた言霊がスバルの目に止まる。形状はハート、愛情を表すもの。




(ハート?あいつらのか?)




仲良く二つセットで入ってきたそれを慌てて引き寄せ、言葉を読む。




「……なっ!!」


「どうした?また言霊でも読んだのか?」




グリーンの問いには答えず(というかあまりに驚き過ぎて声が出なかったようだ)、スバルの顔は軽く朱に染まった。

訝しんだグリーンがどうしたと問えば、スバルは数回口を開閉し、ようやく声を絞り出した。




「……ふっ」




言葉を聞いて、グリーンは笑った。




「鈍いのは俺達か?恋人の気持ちを察せないなんてな」


「……かも…な」









――でもさ、

――やっぱり、




(スバルが一番…)

(グリーンが一番…)




――カッコイイんだよな♪






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