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□サビ丸料理指南
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「では善透様、サビはご夕食の準備をしますゆえ」


「ん、あー……」




いつもと少し違う生返事。
敏感なサビ丸はすぐに気付いた。
どうかなさいましたか、と声をかける。




「や、いつも作らせて悪いなって……」




いえいえ、とサビが微笑む。




「サビは善透様のお庭番ですから。そのお気遣いだけで十分嬉しいですよ」




それに、と付け加える。




「善透様は料理できないじゃないですか」


「ま、まぁそうだが……」




サビ丸から視線をそらし、少しもじもじしながら次の言葉を出した。




「お、俺も料理してみたいっていうか……」




その言葉に、サビが固まった。




「よ、善透様、明日は雪ですかっ……!?」


「おいコラっ……!」




お約束、キレ気味の善透。




「ですが善透様、包丁でおケガをされたらっ……」


「だから、お、教えてくれないか……?」


「……えっ?」




場所はキッチンに移る。
訂正、フツーの台所。
今日の夕食はトンカツ。
サビ丸の提案で、付け合わせのキャベツの千切りを善透に手伝ってもらうことに
なった。




「俺、包丁持つの初めてだよ……」




今までどんな生活してたんですか、と言いたくなったサビ丸だったが、返ってく
る言葉は予想できるし、それ以前にキレると思い、言うのをやめた。




「では善透様、失礼しますっ」




サビ丸が善透の背中にぴとっとくっつき、後ろから善透の持つ包丁に手を添える







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