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□違う世界での自分達
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口から零れ落ちた言葉が画面を伝って博士やシゲルに伝わる
心底驚いた表情のレッドに凝視され、自分と異なる名を呼ばれたシゲルはポカン、としてレッドを見返した
「ぇ、レッドさん?」
「ぁ、! あ、ゴメン 人違いっ!」
タケシのとき以上に取り乱すレッドは自分を嗜(たしな)めつつもう一度シゲルを見直す
グリーンと同じ髪の色、髪型
同じ顔立ち・・・・ん?
「サトシ、シゲル・・・君って何歳?」
「オレと同い年で10歳ですよ」
「・・・・そっか」
サトシの答えで分かったことが幾つか・・・
まずはシゲル・・君はグリーンよりも幼いってことあと声色と瞳の色がグリーンと違うってこと
「あの、スイマセン話が全く見えないのですが・・・」
レッドを前にしているからかサトシと話すような皮肉ではなく控えめに問いかける
レッドはこの世界に来てから何度目かになる苦笑いを浮かべた。なんせ同じ説明を何度もしているからだ
「ぇっと、オレが違う世界の住人ってことは聞いたかな?」
「えぇ、さっきの話を聞いてましたので・・」
「そっか、なら話は早いね
こっちでもオレの所世界でもタケシみたいに同じ名前、同じ顔の人間がいるってのも聞いたかな?」
「はい」
「それで・・・その、オレにグリーンっていうライバル・・・ってか親友がいるんだけど・・・・」
『親友』という言葉からもにょもにょと音量が小さくなっていく所を見るとグリーンを他者に親友、というのが恥ずかしいのだろう
本人は気づいていないであろう頬が程よいピンクに染まっていることを
「「レッドさん・・・」」
「と、とにかくグリーンって奴が居るんだよ!」
まさかのシゲルとサトシのハモりに焦り、先を急ぐ様に言い放つ
そんなレッドの姿が年上だということを差し引いても可愛らしく映る。この時、サトシとシゲルの思考が見事にシンクロした
「「(あ、この人可愛い・・・お兄ちゃんって感じ・・・)」」
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