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□どの世界にもライバルはいる
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「へぇ…」





ニコニコと笑いながらいうレッドを見て何を思ったかヒカリが不意に声をあげた





「そうだ、喧嘩するほど…といえば、いましたよ!
サトシといつもぶつかってるのが!!」



「この地方のライバルみたいなの?」



「そんな感じです。
サトシと絶対的に合わないのか見た目以上にツンツンしてて…」



「目が?」



「まぁ、目もそうなんですけどいつも不機嫌そうな顔してて…」



「髪の毛が紫色でサトシ達と同い年くらいの?」



「そうなんです!凄いですレッドさん!」



「ぇ、じゃぁ…」





ヒカリの楽しそうな声に比例してレッドは後ろを気にしながら苦笑いを浮かべる
その真意に気づかないまま口を動かし続けるヒカリ





「シンジっていうんですけど、これがまた…」



「誰の事を言ってるんだ?」



「だからシンジの事を…」





レッドとは違う声、勿論のことタケシでもサトシでもない
ヒカリの知る限りで該当する人物はレッドの少し後ろに機嫌の悪そうな顔で佇んでいる

その姿を捉えてしまうと動きっぱなしだった口も閉ざされるしかない





「目付き悪くてツンツンしてて不機嫌そうな面で悪かったな」



「ぁ〜……」





どこかの漫画などでありそうなお約束だと
そう思いながら苦笑い

レッドの視線の先の固まってしまってるヒカリは動かぬまま眼だけをアッチにコッチにと
忙しく動いて、最終的には止まった





「・・・・・」



「・・・・・」



「「・・・・」」





今この場で発言できる人はいるのだろうか
もし、いるのであれば中々空気を読めない人種なのだろう

つまり、ヒカリもタケシもレッドもシンジも、ポッチャマやピカ、ピカチュウでさえも何も言葉を発しない
そんな無言のプレッシャーを一番感じているであろう(主にシンジから)ヒカリはBダッシュで逃げ出したいと心底思っていた






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