gift
□モフモフしたい
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「可愛いっ!――し、気持ちいぃ…」
ふにゃり、と表情を崩して抱いているポケモンに頬を寄せる
腕の中のポケモン、メリープは可愛らしい鳴き声をあげる
「ゴールドに感謝しなきゃな」
すりすりと頬ずりし、野生で出てくるのよりも小さいメリープを抱きながら
数十分前の出来事を思い出していた
――――――――――
雲一つない良く晴れた日に、何かしようと外に出た
特にやることもなくブラブラと歩く
「たまには良いよね?こういうのも・・」
誰に尋ねるでもなく、独り言のように呟いた声は返事を求めるでもなく
直に方向を変え、テンポ良くリズムを刻み始めた
「〜♪」
「ぁ、先輩!」
このまま手ごろな場所を見つけて皆とお昼でも食べようかと考えていた最中聞き覚えのある声に足を止めた
「ゴー、どうしたの?こんな所に・・・」
「オーキドのじいさんのお使いッス
それよりも先輩!本当にいい所に!!」
「は?」
振り向いた先に居たのは自分の後輩ゴールドことゴー。
小走りで近づいてくることで先程気づいたが何やら切羽詰っている様だ
そばまで来たゴールドは縋る様な目を向けてきた
・・・これは確実に何か頼まれるな
そう思いはしたが、可愛い後輩が困っているということもありとりあえず聞いてみることにした
「どうしたの?」
「実はっ、その・・・今日だけこの子を預かって欲しいんス!!」
そういってゴールドが差し出してきたのは元気の良さそうなメリープが入ったモンスターボール
よっぽど元気がいいのかボールから出ようとしてじたばたしている
そのボールを手に取り、ゴールドに向き直った
「別にいいけど・・・どうして?」
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