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□握りしめた手
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いつも考えていた、
あいつは―――アクロは本当に強くて儚い人間だと…
いつも笑顔を絶やさず希望をふりまく
デコもオレもあいつに救われた
ぼぅ と そんな事を考えていたが ふとアクロの視線に気づいた。
「どうした……?」
「あ、や、何でもないっ……」
「嘘つけ、虚言の形状がでてるぞ 言いたいことがあるならさっさと言え お前らしくない」
いつものアクロならズバズバと言ってくるはずだが、いまのアクロは歯切れが悪くそわそわしていた
チラチラとこちらを見ては目を逸らしてしまう
そんな姿も愛しいと思ってしまう自分は重症なのだろうか?
「あ、あのさ…」
徐にアクロが口を開く
「その、…スバルが手にはめてるグローブたまには外したらどうだ?」
「…なんでだ?」
「あ、………グローブが湿気るかなぁーって思って……」
あきらかにこちらを見ていない 明後日の方向を向いて言ったアクロの言葉の意味をスバルは理解した
途端に無意識に口許の筋肉が緩む
「ほら」
「へ?」
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