story of P

□できれば嘘だって言ってほしい
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艶のある髪の毛も名前どうりの赤い赤い瞳も俺にとってはただの好敵手の筈だったのに…


グルグルと考えてる俺を涙が滲んでいる目で見上げる好敵手、レッド

あぁ、今激しく逃げ出したい
リングマとスピアー10体が同時に出てきた時と同じくらいな気持ちで逃げ出したい


あぁ、逃げ出したい…



こんなふうに思っているきっかけは約八時間前に遡る…






おじいちゃんの頼みでポケモン図鑑完成のため旅に出ている
その中で同じようにおじいちゃんから図鑑を託されたレッド
ついでに何かと会ううるさい女の子ブルー、


その2人と旅の途中影響して影響されて、最初は一発でKOすることが出来たレッドも今では好敵手
そしてレッドも旅をしているから行き先たまにバッタリ会うこともある
もちろんブルーともだ


それで今回もフレンドリーショップでレッドと会った
これが俺の頭を悩ませることになるだなんて微塵も思わなかったんだ…






「あ、」



「あ、…」





残り一つのモンスターボールを手にしようとして止まる
同じようにボールを取ろうとして止まった手の主をみた

そこには好敵手のレッドが俺と同じポーズでこちらを見ていた
俺は多少驚きはしたがレッドの表情から見てそれなりに驚いてるようだ





「あー…グリーン久しぶり」



「…そういえばそうたな…」





確かに久しぶりではあるな
そう考えているとレッドの手がソロリとボールに近づいてるのが見えた

させるか、と思って素早くボールを手にとった





「あぁ〜!!ズルい!」



「うるさい、早い者勝ちだ」



「んなわけあるか!!」





レッドは負けじと俺の手に収まっているボールを奪おうとするが此方も渡すわけにはいかない
こちらも腕を動かしレッドの手から逃れようとした





「いいじゃんか、オレ何件も回ったんだぞ!」



「奇遇だな、俺もだ だからこそ断る」



「グリーンのケチ!ウニ頭!!」



「誰がウニ頭だ お前こそ前髪凄いことになってるぞ」



「グリーンほどじゃないよ」





売り言葉に買い言葉、腕を動かしながら器用に口を動かしていく
それもだんだんエスカレートしていき最早ボールの存在を忘れて純粋に口喧嘩を始めていた









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