†短編†
□×咲き散る花火の如く×
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「平和だなァ…」
真夏の太陽が南天にさしかかる昼下がり
それに従い気温も上がる
そんな熱気に包まれにこやかな雰囲気を漂わせるのは珍しく非番な眞那である
「夏だなァ…あちぃ…」
後頭部でひとまとめにした髪をめんどくさそうに払うと眞那は道場に向かって歩きだした
「はぁっ!やっ!とおっ!」
「まだまだぁっ!」
「お願いしますっ!」
屋外よりも濃厚な熱気に包まれた道場を見た眞那は妖艶に笑い舌なめずり
そのまま道場に入ると壁にかけてあった木刀を手にとる
「俺が稽古つけてやらァ」
突然の眞那の登場に道場にいた隊士達は沸き立ち次々に立ち上がる
「高杉さん!よろしくお願いします!」
「お願いしますっ!」
「ご指導お願いしますっ!」
血気盛んな隊士達に木刀を持ったまま眞那はニヤリと口角を引き上げた
「まとめてかかってこいよォ」