†短編†
□×女の子だから×
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「う、げ…!」
前を歩く友人のへんな声に顔をあげて、その先にある姿にあたしもまた眉間にシワを寄せた
最近の女子高生は派手だなんだ言われるけどそれはみんなが女の子だからであって。
女の子ならば学校だろうがどこだろうが、いついかなる時も可愛くありたいと思うのは当たり前だ
だからあたしも現在進行形で隣にいるセイラもアキも「イマドキ」の女子高生スタイルを謳歌しまくっている
そしてそんな青春を邪魔するのは、もちろんお約束の生活指導の先生
あたしやセイラ、アキは今までも何回か生活指導の先生に出くわしたことがある。その度に走って逃げるか、お小言をくらうかしていたわけだが。
そして今その生活指導の先生様が廊下の反対側から歩いてくるではないか
「土方じゃん。どうする?」
「うーん…困ったねぇ」
ちっ、と舌打ちするアキに比べてセイラは困った顔をしてあたしに振り返った
「どうする〜…?」
このままいけばあたし達は確実に先生に捕まるだろう。それだけは勘弁だ。
けどこの廊下は一本道。
クラスが並ぶ廊下は進むか戻るかしか選択肢がないように思えた
進めば先生に捕まる
戻れば授業に遅れる
どうしよう?どうする?
ぐるぐると思案した後、
「こっち…!」
「ふえ?」
「あ、ちょ!」
驚く二人の手を引いて
あたしはすぐ近くの教室に
飛び込んだのだった