†薄桜鬼†

□†伍ノ夜†
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─戌の刻─




近藤達は池田屋へと到着した
沖田、永倉、平助達は緊張したそぶりを全く見せずむしろこの状況下を楽しんでいるようだ




「会津藩も所司代の役人も遅ぇな」


永倉は苛々しているのか若干不機嫌そうに待機している


「けどさ、オレらだけで突入とか無謀だと思わねーの?」




平助が不服そうに言ったその時








「思わねーなァ」






暗がりの路地から眞那が姿を現した



めったに着ることのない隊服を身に纏い美しく長い髪は土方と同じように結われている





「俺と忍隊が先行した。奴らの数を3分の1程度減らしといたぜェ」






「眞那!」


「眞那さん!」




駆け寄ってきた総司と平助に眞那はけだるそうにキセルを吹かした



「増援は待ったって来やしねェ」



眞那の言葉に永倉や平助の顔が曇る
























─亥の刻─




いくら待てども増援は来ない




このままでは逃げられてしまうんじゃないかと隊士達に不穏な空気が漂い始めた




「近藤さん、どうします?これでみすみす逃しちゃったりしたら無様ですよ?」



「うむ」



何かを決心したかのような近藤にやっとか…と眞那は寄り掛かったていた壁から背を離した






そして落ち着きなく辺りを見回している千鶴にそっと声をかける




「しばらくの間離れてなァ」


「えっ…?」




きょとんとしている千鶴を尻目に眞那は近藤達に続いて池田屋へ押し入った
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