<BASARA>

□涙
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気がついたら、そこは暗闇だった

私は必死に叫んだ、声が潰れるほどに、ただただ叫んだ

なにもみえない、きこえない

何故、私だけこうなんだ、何故?

何故だ!!!!!

―――――――――――――――――――――――――――――

「三成は将来はどうしたい?」

「なんだ、いきなり」

「いや………」

「私は………私は秀吉様の天下統一が見たい」

明智が謀反を起こし、秀吉様の番が来たんだ

秀吉様の邪魔をするものは、私が惨滅してやろう

「……ワシも一緒にみたいと思う」

「そうか」

そう言った家康は笑ってたのに――……

―――――――――――――――――――――――――――――

「いぇ、やす………」

「っ―!」

視界がぼやける、声がうまく出ない

「私は……死ぬの、か?」

「お前はっ……何故……っっ」

ポタポタと私の頬に温かい雫が落ちる

抱きかかえられた私は動くことが出来ない。

「貴様は……私を―……」

「三成ぃ……スキだ、好きだ……っっ」

私がしゃべるたびに家康は涙を流す、好きと言いながら。

心が痛い、泣きそうだ……涙をぬぐってやりたい

家康、家康……私も………お前が―……


「家康、すまんな…」


こんな私に涙を流してくれて、好きになってくれて

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