知弦甘甘ver
□first kiss
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*知弦side
キー君と付き合うようになってから、私は放課後キー君の雑務の手伝いをするため、2人で生徒会室に残るようになった。
といっても、キー君との雑談やらがほとんどなんだけれど。
他の生徒会メンバーが、私たちに気を遣ってくれて前よりもみんなで仕事をするようになったため、雑務の量も減ったからだ。
「本当、俺はこの時間を楽しみにして、生きているようなもんですからっ!」
キー君は2人になるといつもそんなことを言う。
本当に、告白して良かったと思う。
私は心のどこかで、告白すると、今までの関係が壊れてしまう。
そう思っていた。
だから、告白を躊躇っていたんだと、今更気付く。
でも、やっぱりキー君はキー君だった。
何も、変わらない。
「ねえ、キー君」
「何ですか、知弦さん?」
「隣に、座ってもいいかしら」
「もちろんですよ」
私は、いつも深夏が座っている席に移動する。
そして、座ったままキー君の近くに椅子を寄せる。
「ふふ、キー君の隣に初めて座ったわ」
「いつもは向かい合っていますからねえ。こうやって密着すると、なんか、ドキドキしちゃいますね」
「本当?」
「はい、もう心臓バックバクです」
確かにキー君と結構近い。
なんだか、私の方まで、緊張する。