知弦甘甘ver
□昼休み
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*知弦side
一週間のうちの毎週水曜日は、私がキー君にお弁当を作ってあげる特別な日だ。
水曜日だけ、私はいつも一緒にお弁当を食べているアカちゃんを、私の友達に預け、屋上へ行ってキー君とお弁当を食べることにしている。
「知弦さんっ!」
「キー君、今日も早いわね」
いつもどおり、キー君は私より早く来ていた。
私はキー君にちゅっとキスをした。
「ちょ、知弦さん、みんな見てますよ!?」
「知ってるわよ、そんなこと」
今日は結構屋上に人がいて、私とキー君の方にみんなが釘付けになっている。
「さ、食べましょ」
適当な場所に座り、お弁当を広げる。
「わぁ、今日も美味しそうですね!」
大きめのお弁当箱にいろいろなおかずが詰められている。
「ふふ、キー君嬉しそうね」
「はい、早速いただきますっ!」
そう言ってキー君は箸をとる。
「待って、キー君」
「何ですか?」
「・・・一口目は、私が食べさせてあげるわ」
「え、あ、ありがとうございます」
実は、私、一度でいいからこれをしてみたかったのよねぇ。
いや、アカちゃんにはいつもしているんだけどね。
「はい、キー君。あーん」
私は卵焼きを箸で掴み、片方の手を下に添えて、キー君の口の方へと持っていく。
キー君は、若干照れつつも口を開いてくれた。
「あ、あーん」
ぱくっと一口で卵焼きを食べ、もぐもぐと口を動かす。
「どう、美味しい?」
「はい、最高ですよっ!」
「良かった♪」