知弦甘甘ver
□証for知弦
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*知弦side
私達が、付き合い始めてから、もうすぐで1ヶ月が経とうという頃。
私は金曜日、学校を終えてから初めて、キー君の家に行くことになった。
キー君は一人暮らしで、前に「知弦さんの手料理が食べてみたいですっ!」なんて言ってたから、今日はその望みも叶えてあげようと思う。
私は買い物袋を両手に下げ、キー君のマンションのインターホンを鳴らす。
「はーい」
「来たわよ、キー君♪」
「知弦さん、どうぞどうぞ!」
私はリビングに案内してもらい、荷物を下ろした。
「キー君、食材買ってきたから、今日は晩ご飯を私が作ってあげるわ」
「いいんですか!?」
「ええ、ちょっと待っていてね」
そう言って、私は制服の上からピンクのエプロンを着て、料理を始めた。
―――40分後
「できたわよ」
私はソファに座ってテレビを見ているキー君に向かって声をかける。
「はーい、と、この匂いはカレーですか?」
「正解。さ、食べましょう」
そして、二人で向かい合ってカレーを食べた後、キー君の部屋へと向かった。
「ここが、キー君の部屋ね」
「そうですよ」
「へぇ、結構綺麗ね」
「はい、典型的なA型気質ですから」
そして私はキー君のベッドに座らせてもらう。
キー君は床にあるクッションの上に座っている。
「知弦さんが俺の部屋にいるのって、なんか違和感ありますよねぇ」
「まぁ、確かにそうね。それにしても、部屋がイメージしてたのと全然違うから驚いたわ」
「・・・どんなイメージしてたんですか?」
「それはもちろんエロゲで埋もれた部屋よ」
「酷いですよ。俺はちゃんとその辺は整理するユーザーなんですっ!」
「そんなに誇らしげに言われてもねぇ」
まぁ、別に私は付き合ったからと言ってキー君の趣味を拒んだりはしない。
大々的な理由は二次元であるからだけど、エロゲは今までのキー君を支えてきたものだと思うから。