知弦甘甘ver
□After morning
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*知弦side
いつの間にか、眠っていたようだ。
カーテンの隙間から、ほんの少しだけ光が差し込んでいる。
静かな部屋の中に、小鳥のさえずりと、彼の寝息だけが聞こえる。
「痛っ・・・」
私は身体を起こそうとしたが、その瞬間、下腹部に鋭い痛みが走り、思わず顔をしかめた。
その痛みで、昨夜の出来事を思い出し、少し恥ずかしくなる。
・・・ああ、そういえば・・・昨日の夜・・・私、キー君と・・・。
・・・夢じゃ、ないのよね。
それでも、自分の格好といる場所が、夢じゃないことを教えてくれる。
隣に居るのは、裸のまま眠った、私の大事な生徒会の後輩だ。
1年前に、保健室で会ったときは、まさか彼とこんな関係になるなんて思いもしなかったのに。
痛みと快楽だけが支配していて、何度も何度も彼の名前を呼んだ。
激しく抱き合って、互いを求めて。
キー君も私も、何も分からなくて。
それでも彼は、そんなつたない私のことを一生懸命愛してくれた。
その彼・・・キー君のことが愛しくなって、そっと頭を撫でてみる。
「・・・・・・ん」
キー君が、目をゆっくりと開け、パチパチと瞬きをした。
どうやら、起きてしまったみたいだ。
「おはよう、キー君」