短編2
□ヤキモチ
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突然ですが、
オレの彼女を紹介します。
「佐久間!」
「…っんだよ……」
綺麗な顔。
口は物凄く悪い。
「あのさ、明日で……3ヶ月記念日…だろ?」
「…!!」
「どっか行こうぜ?」
「………っ」
それで意地っ張り。
プライドはエベレスト級。
オレは知ってるんだ。
佐久間は記念日は家でいちゃつきたいってこと。
━━外でいちゃつくのはプライドが許さないんだよな。
「あ〜…やっぱりオレん家来る?」
「………!」
「どっちがいい?」
「…っ、源田、の家……」
「うん、わかった」
更に照れ屋。
凄く可愛いんだコレが。
綺麗な顔もそれに伴わない汚い口調も刺々しい性格も時折見せる可愛い部分も、
全部大好きだ。
自慢の彼女です。
━━ただ1点を除いては。
「佐久間〜」
「んっ?あ、鬼道さぁん!」
鬼道が教室の少し離れた所で佐久間を呼び、彼女はそれに答えて彼の元に走り出した。
「……」
オレを置いて。
1つの問題点。
それは他の男と凄く仲が良いこと!
鬼道だけじゃない。
佐久間はさばさばした性格だから男子に気に入られやすい。
佐久間もそれに不満は無いらしい。
━━オレが居ながら!
段々と鬼道と話して居る佐久間の周りに男子が群がって来た。
佐久間は綺麗で可愛いから男子はそんな彼女と話したがる。
彼氏のオレが居ると話せないから、今がチャンスって訳か。
グツグツと憤りが込み上げる。
普段怒らない者程、爆発は怖いと言うが。
「アハハ!お前バカだろ〜」
「ひでぇな佐久間〜!」
近い!佐久間から離れろ!あと佐久間も男子に気軽に触るんじゃない!
絶対アイツ等下心あるから!
「佐久間可愛いよな〜」
「はっ?」
「んなの当たり前だっつの〜」
「いや…、お前等、あの、その…ば、バカ!」
「「可愛い〜!!」」
「うっ、うるさい…」
プツン。
何かがキレる音がした。
源田は勢いよく佐久間の腕を掴んで教室から出ていった。
男子達や鬼道は予想だにしない源田の行動にポカーンと立ち尽くすだけだった。
「ちょ、痛ぇ!源田!」
グイグイ引っ張られて
ついには屋上まで来てしまった。
「……佐久間!」
「な、何だよ……」
「あんまり男と喋るなよ!」
「……へ」
「だから、オレの前で男子と仲良くするのは禁止!」
「え…や、やきもちか?」
「そうだ!」
「……プッ!」
あんまりにも源田が真顔で素直に言うので吹き出してしまった。
「何だ?」
「……源田は大好きだから心配すんなよな」
「さ、佐久…」
ちゅ、と独特のリップ音が響いた。
「…!?」
源田は顔を赤くして佐久間を見つめる。
不意討ち、だ。
「そっかぁ…源田がヤキモチかぁ…ふふふ」
「おい佐久間…?」
「何でもなーいよっ!ホラ、チャイム鳴るぜ?」
「あ…ああ」
源田にヤキモチ妬かせんのも
いいかもしんない!
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源佐久♀で
源田が妬きもち!
大分お粗末でした( ´`)
リクエストして下さった方ありがとうございました!
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