♀長編

□7日め
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7日目・火曜日(快晴)




思い残すことの無いように。

最終日。






「さて…と!今日は何すっか?午後位になったら皆こっち着くらしいし、体力は温存しとくか!」

今日でこのハチャメチャな生活とはお別れだ。
最初は嫌々、途中でワクワク
最後は泣き泣き、か。

あと4時間程で皆、雷門の皆がこっちに来るらしい。そして、夜になったら帰る。


「ねぇ、にーに」

「おう?」

「皆、まだオレのこと仲間って言ってくれるかな」

綱海を見上げて風丸が心配そうに問う。
背の高い綱海には自然と上目遣いになってしまうので少し、彼は照れた。

「あ、あったり前だろ!」

「そうかな。早く皆に会いたいね」

「お、おう」

「でもさ」

「ん?」

「今日で、お別れだね」


悲しそうに微笑む。
綱海もそれを見てフゥ…と優しく頭を撫でた。


「大丈夫だって」

「何が?」


「また会えるからよ!」

「…うん」









「にーに」

「おう!なんだ風丸っ」

「大好きだ!」

「ハハッ!オレもだって」























あの時の7日間の思い出をオレ…私は生涯忘れないだろう。
彼に助けられ、
彼を好きになった。

輝かしい、宝石のようなもの。



今日、私は雷門中を卒業した。

にーには東京の高校に入学している。
でもスポーツ推薦だから、
東京と言っても稲妻町からは遠い。

私も、そこへの入学が決定している。


だからにーにとはあの7日間以来、ずっと会ってない。

もう少し、もう少し。

にーにと同じ高校に早く、行きたい。


「風丸。お前に客だよ」

部室前でサッカー部の皆と写真を名残惜しみながら取って居た時、豪炎寺が呼ぶ。

「誰…?」

「フン。オレが一番会いたくない奴だ」


誰だろう、と頭をかしげると
マックスと半田が豪炎寺の後ろから来た。

「豪炎寺〜。素直に良いなよ」

「そうそう」

「うるさい」

「はぁ。ヤダヤダ豪炎寺ったら。…風丸を取られちゃったからってさ」

「風丸!彼氏さんだよ」


そう言って半田が振り返ると……

大柄な、肌の黒い男性が居た。


変わらない。
あの人は。



「……にーに!!」
















end
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