学パロ♀♂

□風丸さんの未来
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「へへっ…!やっちまった」


風丸を抱えながら円堂は
チャペルから遠くへ、遠くへと走り続ける。


「円堂、どうしてここに…?3人しか来れなかったって霧隠が言ってたのに…!」

「オレと綱海、皆とは別な所に捕まってたんだよ。で、なんか見張りが手薄になったから2人で黒スーツのオッサン倒して、佐久間が風丸の居るはずのホテルの前に居たから『どうした』って聞いたら何処かに連れてかれたって言うからさ〜」

「言うから?」

「泳いできた」


あはは!バカみたい!、と風丸が笑う。
その笑い顔からは先程の死んだような顔はとても連想できない。

「あんなデカいヘリが空飛んでたら一発であれだ、って気づくよな」

円堂もハハハッと笑う。


こんな事態になっているのに2人は幸せそのものだった。



「円堂、私走れるよ。降ろして」

「だーめ。オレがこうしてたいの」

「………バーカ」

風丸は顔を赤くして円堂の顔を見ないように背中に首を置く。

恥ずかしかったのだ。

何よりも
泣かないと約束していたから。






















「円堂!!」

捕まっていた、鬼道・源田・緑川・基山・宮坂と佐久間が2人の姿を見つけたのだ。

風丸が足をバタバタと動かすので円堂は抱えていた彼女を降ろす。

「佐久間ーーっ!!」

「風丸っっ!!」


2人は飛びつき合った。


「風丸、風丸!大丈夫っ?」

えぐえぐと佐久間が泣きだす。

「あたしっ、もう会えないかと思ったよぉぉっっ!!」

「そんな訳…無いじゃんっ」

風丸は泣きそうになるのを必死で堪える。


「宮坂、宮坂は?」


「オレの背中におぶってるよ」

よいしょ、と源田が宮坂の姿を風丸に見せてやる。


「宮坂、ごめんね、ごめん!!」

「まだ気ぃ失ってるよ」



……ピクリ




「………ん?」



ピクリ



「お、おい」
源田が背中に違和感を感じる。







「風丸…さん」

「みっ、宮坂!」

宮坂が気を取り戻したのだ。


「ふっ、ふわぁぁぁっ!」

それと同時に風丸が枷を外したように泣きだす。


「ちょ、風丸!」

「なんでお前が泣く、緑川」



宮坂がクス…と笑う。

「泣かないで、って言ったじゃないですか………」

「無理だぁぁぁ!ぅあぁっ、あぁっ」


「ところで、騎士…じゃなくて、不動くん達はどうしたんだい?」

基山の問いに風丸は泣きじゃくりながら答えた。





「そうか…。しかしどっちにしろ、もう一度チャペルに戻る必要があるしな」


皆を助け出すため、


……話をつけるために。

この悪夢に決着をつけるために。



「風丸、もう1回行って平気か?」

円堂が風丸を気遣って尋ねる。

風丸は小さく頷いた。

「私も、最後くらいは戦う」


「何言ってんだよ」

「ずっと1人で戦ってたじゃん」


佐久間と緑川が2人の脇からひょっこり顔を出す。


「…うん!頑張ろう!」


「「「おう!!」」」




最後の戦いが始まる。




これが、最後!




大きく息を吸った。










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