短編2

□48000!
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*風丸♀が小さいよ!
(メージュのあれ設定)









「円堂!」

「ん?」

キョロキョロと名前を呼ばれた彼は辺りを見回す。

「あれ?」

しかし彼の視界には誰も映っては居なかった。


「下だよ下!」

「あっ…風丸か!」

膝を曲げてしゃがみ、ついでに彼女の頭を撫でる。

「ごめんごめん」

「〜っ頭撫でんな!」


顔を恥ずかしそうに赤く染めながら怒る風丸を見るのが楽しくていつも円堂は彼女をからかう。

いや、メンバー一同。



「風丸ちゃん飲み物何がいい?」

「ヒロト、別に自分で取れるから」

食堂に行くといつもヒロトが風丸の世話を焼いて、ついて回るし、


「おう風丸!にーにが飯食わせてやろーか!」

「オレは子供じゃない!」

綱海が風丸を膝に招いて食事をさせようとしたり、


「ちーっちっーちっ!おいでおいで風丸〜」

「猫でもない!!」

佐久間がからかったり。


ともかく皆風丸を妹のように扱うのだ。
それを風丸が嫌がるのを分かった上で。

「もういい!」

頬を膨らませて風丸はいつも座っている机周辺から離れ、一番端の席へ向かう。



その席には先客が。

「ここ、いいか?」

風丸が先程の怒りを抑え先客に引っ付き笑顔で尋ねた。


「あァ…勝手にしな」

無愛想に彼は答えるとプイ、とそっぽを向いてしまった。
サンキュ、と返すと風丸は不動の向かい側に腰かけて机にトレーを置いて食事を摂り始めた。


ブスッと顔をつまらなそうにしているメンバー達には目もくれず。



鬼道は彼等を見て笑いを抑えきれず少し咳込んでしまった。
呼吸を整えると、それぞれ食べ始めた彼等を見て興味深そうに心中呟いた。


「(一部の男子は好きな女子を苛めるってのは、本当だったのか……)」

思い出すとまたクスクス笑った。













「風丸ってさー何センチ?」

今日風丸のパス相手になった佐久間が爆弾発言をボールと一緒に繰り出した。

「…喧嘩売ってるのか」

ドガッと蹴らたボールは今の彼女の心境のようだった。


「いやぁ〜、ミニモニ絶対入れるよなぁって思って」

「ミッ、ミニモニ!?そんなに小さくない!」

「いやいや150は無いだろ?うん、全然無い」

「うっ、うるさい!!」

「アハハハッ」

ギリギリと歯を立てて佐久間を睨む風丸だが、全く迫力が生まれずまたしても佐久間は笑いからかっていた。

するといきなり風丸の身長がぐいーと高くなる。


「おおお?」

佐久間が何だ?と目を丸くして情けない声を発した。

「わっ!?…え、円堂!」

「これで風丸も佐久間より身長高いって!」


円堂が風丸を持ち上げてニカッと笑いかける。

「ちょっと円堂…降ろして!恥ずいって!」

「んー?気にすんなよ!」

円堂はそう言うと風丸を持ち上げたまま走り出す。
まるで小さい子供をあやすように。
周りのメンバーも騒ぎ笑い始めた。


「〜!!」

羞恥と悲しさで
じわぁと目が潤んだ。



━━何だよ!

皆して子供扱いして!
2年で、身長小さいだけで、何でこんなにバカにされなきゃいけないんだよ!
選手とは言えオレだって女子なんだからな…!

皆キライだ!!



「風丸〜肩車してやるよ!」

「ぬいぐるみ余分にあるから後で持ってくるからな」

「沖縄の弟達を思い出すぜ〜!」

「飴食べる?風丸ちゃん」


綱海、豪炎寺、土方、吹雪の集中攻撃によりとうとう風丸の限界が来た。



「…〜っ!!」

ぶわぁぁと涙が溢れ出て来た。
周りはギョッとしたような、「しまった!」というような表情に変わる。


「…うっ、お、ろせ!」

その言葉でハッとしたらしく円堂は急いで風丸を地面に戻した。


「み、んな、キライっ、だ!」

うわあああん!と泣きながら風丸はグラウンドから飛び出して行った。





円堂はポリ、と頭を掻く。

「キライ…ってそんな、もろ子供じゃぁん……」

「うーん…ちょっと調子に乗り過ぎちゃったね。風丸ちゃん可愛いから」

「オレもバカにし過ぎちまった…後で謝んなきゃな」















…グスッ。

涙が嗚咽に変わってきた頃、彼女は頭がぼんやりして来た。


「(…………。)」

何で皆バカにすんのかな。


女子だからかな
チビだからかな

何でオレばっかり。




「あーもう!」

頭がぐるぐるして、
心がもやもやして、
ムシャクシャして叫んだら顔に何か冷たい物が当たった。


「ひゃっ!」

チラと横目で見たらそれは甘い缶ジュース。
缶のさらに上を見上げるとそこには無愛想な彼が。


「…不動?」

「…っと、腫れるぞ。冷やしとけば?」


相変わらず目も合わせ無いで、無愛想だがぶっきらぼうな優しさが伝わった。

ありがとう、と彼女は小さく呟く。


カシュ、とプルタブの開く音が静かな空気中に響いた。

「…別によぉ、」

「………?」

「どいつもこいつも悪気がある訳じゃ無ぇんじゃねーの?ま、悪いのはあっちだけどよ」

「…うん、分かってる」

「……それによ」

「ん?」


今まで何処か1点を見つめて居た不動がキョロキョロと視点を動かし始めた。

心なしか、顔が赤い。

「っと…」

「へ?何?」

聞こえ無い、と不動との間を詰めた。
それを機に開き直ったらしく、彼は言い放った。


「チビでもいいじゃん!」

「…はっ?」

「かっ、可愛いいんだからよ!」

「へ、へ、へぇえぇ!?」




良く分かんないけど!

何だか━━

小さくても良いかも…なんて…


「(不動も男子にしては小さい方だしな…!)」

え、何これ?
良く分かんないけど!!



小さいのも悪く無い!




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48000HIT!のリク
「小さい風丸♀が皆に身長のことでからかわれる」

でした!

うーん
難しかった!
ごめんなさい…(д)


.

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