短編小説

□豪風♀
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「うーっ!」


唸りながら、枕をバシバシとベッドに叩きつける女子高生の姿があった。


それはいつもは凛とした、皆の憧れである筈の風丸だ。


「痛い痛い痛ーいっっ!」


「うるさいぞ…風丸」


体格の良い少年が雑誌をパラパラと捲りながら彼女に注意する。




ああ、今日は豪炎寺の家に居たんだった。


…何だよっ!
いきなり呼び出して重症化させたのはお前なくせに!

さっきから、本ばっか読んで冷た過ぎだろ!


「だって腹痛い!変われ!」

「残念ながら変われない」



先程から冷めた豪炎寺の態度に風丸は苛々を隠せなかった。
ドンドンと行き場の無い気持ちを壁に叩いたら叱られた。




だって、お腹が…。

冷たい豪炎寺に泣きそうな顔で「ごめんなさい…」と謝る。



豪炎寺は読んでいる雑誌を床に置き、風丸へと視線を向ける。


「薬、効かないのか…?」

「うん…生理超重いから……」


「なら尚更、暴れるんじゃない。ちょっと大人しく横になってろ」

「うん………」



そう言うと豪炎寺は戸棚から何かを取り出す。

暫くゴソゴソ、と探しているとお目当ての物が見付かったのか音が止む。


「あった。ほら、服に貼ってろ」

手にはホッカイロがあった。



「豪炎寺ぃ……」


「貼ってやろうか?」

ニヤニヤしながら聞く豪炎寺がやけに怪しくて首をブンブン降って断った。

彼氏とは言えど腹を見られるのは恥ずかしいのもあるが。



「別にお前の身体なんか見慣れてるけどな」

「うっさい!」

顔を赤くして風丸がバカ、と付け加えた。



2人とも高校生で、付き合いもこれで4年目な訳であるし、既に『初体験』は済ませてある。




「何でいきなり家に来いなんて言い出したの?」

「風丸が見たかったから」

「あ、あっそ…」


キザな奴、そう思いながら風丸は枕に顔をうずくめる。

豪炎寺がポンポンと背中を叩いたら、そのまま立ち上がり

「ちょっとコンビニ行ってくるから寝てろよ?」

と言った。

一人にして欲しく無かったが彼を困らせる訳にもいかないので渋々返事をする。


「…早く帰って来てな」




豪炎寺がマンションの廊下を走ってる音を確認すると風丸は痛い腹をこらえ、彼が先程まで読んでいた雑誌を手に取る。



「これって……!」

雑誌を手に取りながら風丸は嬉しそうにニヤける。


フフッ、と笑いながら彼の帰りを待っている。






遠くから、マンションの階段をかけあがる音が聞こえ━━玄関の扉が開く。


しゅうやーっ!!と叫びながら風丸は豪炎寺に飛び付いた。



彼の読んで居た雑誌のページは


『生理の辛い彼女にやってあげられること』






















「豪炎寺、冷たいと思ったらこんなの読んでてくれてたのか」

「集中したかったんだよ。ホラ、良いもの買ってきたぞ」



「…ん、ケーキ!?」

「苛々には甘い物、だろ」



「豪炎寺愛してるーっ!」

「オレも。…さっきみたいに修也って呼べよ、いち」


「……修也、」

「何だよ?」

「えへへっ…!」

「可愛い奴だな…」

「ばーかっ」



「なぁ…ところでさ」

「何?」

「一回妊娠して、子供産むと軽くなるんだってよ」

「なっ…!」

「ハハ、まだ先の話だな」

「それって…なんか……」

「オレなりのプロポーズかな」


「〜〜っ!!」

「顔赤いぜ」

「もう修也なんか……


大好きだ!ばかっ!!」








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バカは私だ。

すいません、リクエストでした。鈴音さんごめんなさい!!

ムズい!
生理ネタ!


結構他サイト様で見たときあるから内容に困ったです((笑


お粗末でした!

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