短編小説

□遊園地
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「ううううう!離れるなよ置いてくなよ逃げるなよ!!」

ガタガタと風丸は震えてオレの背中に顔を隠している。

「うっせーな…逃げそうなのはお前だろ。んな泣きそうなツラしてよ」

「違う!お前が怖がるだろうと思ってくっついてやってるんだ!」


何言ってんだコイツ。
必死にオレの服掴んでるくせに。

「ああ。そうかよ。じゃあお構いなく」


そう言うと不動は無理やり風丸の手を振り払い、スタスタと先へ行ってしまった。


「うわあああ!置いてかないで!」

「フン」


「ふどぉぉ!」


あー…うるせぇ。
お化け屋敷くらい、別に怖くなんかねぇだろーがよ…。
ったく。

「バ風丸。早く来い。ホントに置いてっちまうぞ」

「待ってくれっ!」





今日は遊園地に来ていた。

不動の誕生日だからだ。


そのため今日は不動の好きなように遊んでいる。
いつもは絶対入らないお化け屋敷に入ったのもそのためだ。



「はぁ…。死ぬかと思った」

「バカかお前。…ホラよ」

不動はストローのついたカップジュースを風丸の頬につける。「冷たっ」と小さく風丸が笑う。

「ありがとな」

ハッ、と不動も少し笑う。


「誕生日、おめでとう、不動。今日はお前に付き合うぜ」



少し不動は思慮し、しばらくして風丸の手を引いた。

「あれ乗ろうぜ」

「んー?観覧車か?」

「っそ」

2人は手を繋いでゆっくり歩いた。
カップルそのものだ。
風丸は女みたいに綺麗だから変な風にも思われない。

しかし、同性。
いつかは別れる時が来る。

それを2人は分かっていた。














観覧車に乗って2人は向かい合っていた。

「なぁ。風丸」

「なに?」

「プレゼントは?」

「要らないって言ったの不動じゃないか」

「ああ」

「欲しくなった?」

「……ああ」

「そっか。何?」

「風丸」

「…………へ?」

「お前」


瞬時、不動は風丸を観覧車の椅子に押し倒す。


「な、なななな!?」

「好きだぜ。愛してんよ」

「ばばばばば、ばかやろっ!!」

「お前が欲しい」


強引に不動は風丸にキスをする。
口を塞ぐだけじゃなくて、深い、深いキス。

銀の糸が2人を繋いだ。

「…っふぁ…っ!」


「お前はオレを、要らないか?」


お前のその、
優しい瞳で見られたら…
断れる訳、無いだろ。


「欲しい。不動が欲しいよ…っ」


ニッと不動が妖しく微笑む。





限られた時間、君を精一杯愛す。



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リクエスト…でした!

無理!
R15無理!

私にエロは無理!!

なんかシリアスもどきになっちゃった…

すみませんっ!

あと不風リク多いw

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