短編小説

□ノロケ
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*高校生
*風丸・佐久間・ヒロトが性転換
*ほぼ会話





「ねーえ。2人共」

放課後の教室で基山が唐突に口を開いた。



携帯をいじっている佐久間と復習をしている風丸が振り向く。

「「何ー?」」




可愛いなぁ。
風丸ちゃんも佐久間ちゃんも。

流石、学校のマドンナと薔薇って言われるだけあるよね。


基山がぼーっと考えていると
佐久間が「で、何だよ」と苛ついた声で言う。

「あ、あぁ!…あのさ、2人共、前々から思ってたんだけど本当に豪炎寺くんと源田くんで良いの?」



「…へっ?」

「はぁ?」


風丸と佐久間が顔を赤らめながら奇声を発する。

風丸は豪炎寺と付き合っていて、佐久間は源田と付き合っている。


「だって2人共超可愛いじゃん。たまには〜違う男っていうかさ」


「な、何いきなり言ってんだよ!?」

「だってさぁ…源田くんにいっつもツンツンしてるから好きじゃないのかと思ってた」

「いや、別に、いやっ!」


慌てながら佐久間が何かを言おうとする前に基山は標的を風丸へと移す。


「風丸ちゃんもさ〜、豪炎寺くんの一方的な愛情だけなんじゃない?」

「ええっ!?」


あわあわとする2人を他所に基山はフフン、と妖しく笑う。


「じゃあさ、証明してよ。君たちの気持ちをさ、説明してみて。はいっ!佐久間ちゃん」

「ええ!?あ、あたし!?え…えっと…源田はいつも荷物持ってくれて……」

「それじゃあ荷物係じゃない。次は風丸ちゃん」

「あっ…えっと……。帰る時いっつも鞄を持ってくれるし…」

「あたしと同じ事言ってるじゃん!他に言うこと無いのかよ〜」

「なっ!他にもあるもん!!」

「へぇ。なんだよ」


「あ…あの……」

基山が口を挟む間無く2人は言いあう。



「豪炎寺は優しい!」

「源田だって!」


「雨の日は必ず豪炎寺が車道側を歩いてくれる!」

「源田なんか雨ん時は傘をあたし側に斜めにしてくれる!」


「妹さん思いだし!」

「仲間思いだし!」


「シュートを打つ時なんて凄く格好いい!」

「ボールを止める時なんて凄く男前だ!」


「き…キスは優しくて丁寧だし!」

「源田のキスは超上手いし!」


「風丸、って呼ぶ時の声が低くて素敵!」

「佐久間って呼ぶ声がエロかっこいい!」


「勉強してる時のメガネが!」

「堂々と寝てる姿!」


「優しく包む様に手を握ってくれる!」

「離れないように手を強く握ってくれる!」


「大好きだよ、って1日10回は言ってくれる!」

「愛してる、って1日5回は言うぞ!」


「告白の時は『一生君を愛し続ける!』」

「あたしは『一生守るから』って!」


「豪炎寺は切れ長の目に、筋肉質な細身で身長高いし、何よりもイケメンだもん!!」

「源田はキリッとしてるしガタイ良いし、笑顔ヤバいし、何よりも男前だ!!」


「(ム〜!)」

「(ウ〜!)」


「私は豪炎寺大好きだもん!」

「あたしは源田、大大好きだ!」


「私は大大大だーい好きだもん!」

「あたしのが超超だーい好きだ!」





喧々囂々、2人の言い争いは続き、基山が恐る恐る口を開いた。

「あの…風丸ちゃん、佐久間ちゃん」

「「何!?」」

「お迎え…来たよ」

基山が指差した先の、教室の入り口には豪炎寺と源田が顔を赤くして立っていた。


「げ、げげげ源田!!」

「豪…っ炎寺…!き…聞いてた…?」


コクリ、と源田と豪炎寺は真っ赤になった顔を手で隠して頷く。

その2人よりもずっと顔を赤らめて佐久間と風丸は教室に倒れた。






「正直になることも、大切だよ」

クスクス笑って基山は彼女たちを見た。



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…きゃっ!

リクエストでした!

「源佐久、豪風でノロケ話」


お粗末様れした…

もうしーぬー((笑

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